旅館とホテルの違い

星野リゾートの星野社長の対談を読んでいて興味深い言葉がありました

良いホテルと良い旅館の違い

西洋の良いとされるホテルのサービスは顧客の要望に敏速かつ正確に答える事、要望が出たとたんにパッと答える事が出来る事、主導権はお客様側

日本の旅館の良いサービスはおもてなしの心、「今日はどんなもてなしがあるのだろう」と期待をしている、主導権は旅館側です

要望に応える、期待の応える、似ていて非なるものです

前社は西洋文化である主従関係が基礎になっている、主が上で従が下な訳です

後者は日本文化、例えば”茶の文化”はもてなす側が主で客をもてなす、主客は対等です

 

「サービス」と「おもてなし」は違う

この対談を読んでいて気付くのですが、サービス業と言う言葉のジレンマです。

あなたの職業を次の中から選択ください

サービス業と言う欄はあるがおもてなし業と言う言葉はないのが不思議です、旅館だけでなくサービス業にカテゴライズされている日本の多くの事業は実はおもてなし業と言う言葉の方がしっくりくるものが多いです。

そして困った事におもてなし業である事業や業態自体そのものが、サービス業を追いかるあまりおもてなしの心を忘れる、はき違えるようになっているのではないかと思います

スーパー銭湯はおもてなし業です

僕が携わっている温浴業や飲食業、これはもう絶対のおもてなし業です

例えばお湯の温度、38℃・40℃・42℃人の好みは別々です然し浴槽の温度は個人ごとには変えられない、お店が決めた温度でどんな入浴方法を楽しいで頂くか、今日の薬湯は何でどういったモノを提案して楽しんで頂くか

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私たちがもてなします(^_-)-☆

 

焼肉店では今日入荷したお肉で一番美味しく食べて頂く部位は何か、どういった食べ方をしてもらうのが良いのか

頭の中には具体的なお客様を思い描き準備をしてお迎えをする商売です

お客様と我々は主と従ではない、だからそういった意味ではサービス業ではないのです

乱暴な言い方をすれば需要になんて答えないでいい、しかし満足して頂く事を常に能動的に考え行う必要があるのだと思います

受け身はだめ、主体的であるべきです

非日常は追いかけない、素晴らしい日常を演出する事

ついでながら、我々の世界は非日常を提供するものではありません、西洋ホテルの素晴らしい接客に見習うところはありますし、一流旅館のおもてなしの精神も重要です

ですが提供すべきは日常の中の心休まる空間だったり、時間だったり、ふれあいです

こんにちは!いつもありがとうございます!・・・この一言が心籠っているかどうか

これはテクニックでは無くてやはり日常のおもてなし精神を個人で咀嚼して始めて醸し出される心地よさなのだと思います

背伸びをしない”おもてなし”を楽しみましょう

応援してね!!

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。