繁盛店になるためのグランドメニュー改定のポイント

あなたが運営している飲食店がグランドメニューを改定する場合、注意しなければならないことがいくつかある。

 

中でも最も重要なことは、なぜメニュー改定を行うのか、その理由を明確にすることだ。

 

グランドメニューとは、お店がいつも提供できる商品のことであり、季節メニュや期限限定メニューのことではない。

 

街中の中華料理店には大抵が、夏になると冷やし中華を提供するし、暑い季節は売れ筋商品になるだろう。

 

しかし、余程その店の冷やし中華が名物でもない限り、提供をしなかったとしてもお客様の選択肢が減るデメリットはあるが、全体の売上にはさほどの影響はないだろう。

 

これが、餃子なら話はちょっと違ってくるはずだ。売り上げが大きく減少する原因になりかねない。

 

グランドメニュー商品はお店の骨格だ!

 

骨格を触るということは、それなりの原因があるはずだ。

 

それだけに、いたずらに変更するのではなく、課題を明確にしてその課題を解決できる形で取り組んでもらいたい。

 

今回は飲食店のグランドメニュー改訂に際して意識すべきポイントを検証したいと思う。

 

グランドメニュー改訂を行う理由を明確にする

コロナ規制が解除され、外食産業の賑わいは復調を見せている。本年5月、6月の外食産業の売上高は連続して昨年の2割増であった。(一般社団法人日本フードサービス協会調べ)

 

完全復調とは言えないが、売上が振るわない原因はもはやコロナのせいにすることはできない。

 

無論、コロナによって消費者行動が変化したことは確かだ!

 

たとえば、大人数での宴会や、遅い時間の利用は必ずしもコロナ以前に戻ったとは言えないだろう。そして、社会行動が完全にコロナ以前と同じになるとは考えにくい。

 

ならば、商売を社会に合わせて変化させる必要がある。

 

売上が減少している場合、お店に何が起きているのかを考えてみよう。

 

客数が減っている原因は何か

 

客数が減っている場合、どのようなお客様が減っているのかを分析してほしい。

 

従来と比べてどの曜日のどの時間帯のどのような利用用途などで特に変化の大きい部分を洗い出そう。

 

以前と比べランチ時間が苦戦しているのであればランチメニューの見直しが必要だろうし、遅い時間が苦戦しているのであれば、客単価を上げる方法や、2軒目として利用しやすい環境を作るなどの工夫が必要である。

 

週末とウイークデイの利用の変化もみておきたい。

 

特に常連客の利用状況は深く分析する必要がある。

 

常連の顧客が減っている場合は、料理やサービスに問題はないかを謙虚に見直してほしい。また、競合店の存在などの外部環境の変化にも着目すべきであろう。

 

客単価が下がっている原因は何か

 

もしも、商品ごとの単品分析ができるのであれば是非行ってほしい。極端に減っている商品や、逆に以前よりも多く出ているメニューを客観的に見れば課題は見えてくる。

 

お酒を出す店なら、ビールの出数は客単価に直結するし、肴の出数に変化があっても変化する、お酒を注文するお客様の客単価の変化を分析してみよう。

 

値段の高い看板(売りたい)商品の数が減っていたとすればそれは本当に客数減少と比例しているだろうか?もしも、客数の減少率よりも高い確率でその商品が減っていれば、商品自体に原因がある可能性が高い。

 

味に変化はないか、ボリュームや盛り付けに変化はないか、価格満足度は下がっていないだろうか。もしかすると、代替する単価の低いご商品にシフトしてはいないだろうか?

 

そもそも客層が入れ替わっている可能性だってある。

 

一品一品の商品の動きをしっかりとみてみよう。

 

利益率が下がっていないだろうか

原価の高騰は、多くの飲食店を苦しめている。代金にうまく価格転嫁できていれば良いが、十分でない場合もある。また、値上げによって商品の回転が悪くなると、ロスが多くなルコとも懸念される。

 

メニュー構成を考えるときに必要な5つのポイント

自店の現状が分析できたら、いよいよメニュー構成の見直しに着手していこう。

 

コンセプトの再確認を行う。

まず行ってもらいたいことは、コンセプトの再確認だ。あなたの店はどのような料理を得意とするお店なのか、そしてどのようなお客様を対象としているのかを改めて見つめ直してみよう。

 

その上で、分析した結果、その内容の料理が提供できているのか、ターゲットとしているお客様は来店されているのかをマッチングしてほしい。

 

売りたい商品と売れる商品は必ずしも一致する訳ではない。ニーズのない商品をどれだけ力を入れても売れないものは売れない。

 

例えば、1,000円の定食を食べに来るお客様が中心の店で、3000円5000円の商品に力を入れてもロスが多くなるばかりだろう。

 

逆に、5,000円のコースを許容できるお客様が大勢いるのに、1,000円のメニューしかラインナップがなければ機会損失をしていることになる。

 

現在のお客様のニーズをしっかりと見極め、満足してもらうもコンセプトに沿ったメニューであることが大事である。

 

但し、これは単にお客様に迎合しろと言っている訳ではない、お客様を教育するのも大事なことだ。

 

そのためにも大切なのがメニューに対する軸がぶれないポリシーとコンセプトの確認になる。

 

自店のメニューに点数をつける

 

変えるべきは「メニュー」か「売り方」か

 

お客様の顔を思い浮かべながら、あなたの店のメニューひとつひとつに点数をつけてみてほしい。

 

注意点は2つ

 

一つ目は限られた条件の中でベストを尽くしていること。

二つ目は自店メニュー内での相対評価ではなく、絶対評価で行う。

 

二つの条件で照らし合わせてみて、60点以下の商品は少なくともどうすれば80点に到達できるかを模索すべきだ。

 

グランドメニュー改定で大事なのは、伸び代のある商品の改良を行うことだ。

逆にどうしても伸び代のない商品はささっと見切りをつけて、80点以上の点数を獲得できる商品を投入するべきなのである。

 

90点以上の商品は、メニュー改善をして91点や92点を狙っても売り上げは変わらない。メニューの中身よりも売り方や勧め方に労力を注ぐのか答えとなる。

 

客単価を上げるサイド商品を持っておく

 

グランドメニュー変更はメニュー全体の構成を意識して行う必要がある。

 

力のあるサイドメニューの存在は客単価の向上や利益率の向上に寄与するし、お客様の満足度にも影響を与える。

 

とりあえず頼んでしまうメニュはあるか。

メインメニュー以外にとりあえず頼める一品の存在は大きい。お酒を出すお店なら必須である。お手軽価格で、一工夫あって、すぐ出てくる商品なら顧客にとって嬉しいはずだ。

 

王将の餃子、マクドのポチトなどは半自動的に注文してしまうし、店側からすれば単価も上がる。おまけに利益率も良い。

 

よくいく定食屋では、自家製ポテサラが美味いので必ず頼む。お店側も戦術として織り込み済みで、必ず勧めてくる。

 

また、今日の冷奴というのがあって、毎回豆腐の上のトッピングが、梅肉、なめ茸、ザーサイ、トマト、韓国海苔などアレンジが違う。聴きもしないのに教えてくれるのでついプラスしてしまう。

 

もし、あなたのお昼の定食メニューが1プライスなら、定食プラス選べる小鉢2品とかのトッピングメニューをセット価格で用意して複数のプライスレンジを持てば単価は確実に上がるはずだ。

 

コロナ以降、遅い時間に回転が悪くなったお店ではお土産商品の開発はどうだろうか?

 

ある居酒屋のお土産「サバサンド」は、鯖フライを挟んだサンドウイッチで翌朝の朝飯用に人気で、多くのお客さんが会計後に折り詰めを持って帰ってゆく。

 

お店のコンセプトに沿っていて、ついつい頼んでしまうこのような商品を持つとを考えてみよう。

 

商品を絞り込む

苦戦をしている飲食店でありがちなのが、やたらとメニュー数が多いということだ。

 

ABC分析をせずに、どんどんメニューを増やした結果、とっ散らかったメニュー構成となっており、最早お店のコンセプトが見えてこない。何を頼めが良いのかを分からないような状態になってはいないだろうか。

 

こういった場合、食材のロスも大きく原価率も跳ね上がる。

 

最悪なのはそのためにメニュー表に売りきれの商品がずらりと並んでいるような場合で、お店のイメージはガタ落ちである。

 

商品の出数はしっかりとA B C分析をおこない、切るべき商品、ブラッシュアップする商品、育てる商品に分ける。労力を注ぐのは後の2つに絞るこてあろう。

 

看板商品を作る

お店を代表するような商品があるでしょうか。お店の名前が思い出せなくても。その料理だけは時々頭に思い描く、そんな商品があるお店は強い

看板商品の作り方は、別記事に特集しているので参照を!

繁盛店のための看板メニューの作り方

 

 

 

まとめ

グランドメニューを改善する際に大事なのは現状をしっかりと分析すること、その上で目的を持って改良に手をつけていきましょう

 

改善のポイントは5つ

  • 自店のコンセプトを再確認すること
  • 現在のメニュー全てに点数をつけてみる
  • 客単価を上げるサイドメニューの強化
  • 商品数を絞り込む
  • 看板商品を作る

課題に立ち向かい、魅力あるメニュー構成を目指してください。

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。