店舗イベントではバックエンド商品を用意する

8月に入り夏休みも真っ盛りです。お盆期間はあちらこちらでお盆祭りや、花火大会などが開催されますが、店舗商売ではそれに乗じてお盆イベントなどを企画しているところも多いでしょう。

 

このイベントを行う際に意識してほしいことが2つあります。

 

1つ目は、惰性で行わない

2つ目は、今後に繋がる設計をしておく。

ということです。

 

店舗イベントはフロントエンド商品である。

 

店舗商売のイベントを計画するとき、残念なから多くの施設ではイベントを惰性で決めているケースが非常に多い気がします。

 

毎年恒例のってやつです、

 

ですから、イベントの内容もそれほど深く議論されていない、長年同じことを繰り返し本来の目的を忘れてしまっているケースが多いのです。

 

あらゆるショップで、目的は期間中の売り上げを上げるための割引施策でしかなかったりしますよね。

 

元来こういったイベントは、お客様との関係を深めるための機能をもたさなければなりません。

 

施設やショップに対して親近感を深め、今後も継続して利用をつつけて貰うためのもので、安いから行こうを目的にさせないことです

 

温浴施設や飲食店は来店頂くことで売り上げは上がりますが、経費をかけ、時間をかけ、十分な準備をして、来店頂いたお客様が、引き続き来店を続けて貰うための仕掛けでないとならないのです。

 

故に、イベントで集客は狙いますが、イベントがある時しか来ないお客様はターゲットとはならない、イベントがなくともあの店を利用しようと思わせるモノでなければなりません。

 

そう考えると、毎年恒例のイベントは惰性ではなく、毎回、感動や共感が生まれることを前提に真剣に考えなければならないことが理解できる筈です。

 

『テーラーバートン』に学ぶバックエンド商品の売り方

 

先日、開催された西野亮廣(作・演出)の芝居 #テイラーバートン はわずか2日間、3公演でしたが、制作費は通常のこのレベルの10倍かけたそうです。

 

これをどうやって回収するか、客席を10倍に増やすことはもちろん、観劇料金を10倍にすることもできません。

 

通常であれば、大きな赤字になるところですが、採算を取る仕掛けをあちらこちらに仕掛けています。この辺りの話が聞けるサロンはビジネス的に非常に勉強になります。(https://salon.jp/nishino

 

公演業は基本的に集客で採算が合わなけりば後がありません。公演期間が終わればキャッシュポイントは無くなるからです、

 

だから、劇場で行う公演は仕掛けであって、観劇チケットや当日のグッズ販売以外に継続して売上を生む仕組みを作る必要があります。

 

劇場公演はフロントエンド商品という位置付けで、観劇に来たお客様や、会場に足を運べなかった人達に、バックエンド商品を購入してもらうのです。

 

「テイラーバートン」では、一般公演以外に収録日を設けて、12台のカメラを使って舞台を収録しています。通常の公演では行えない、舞台の上にも撮影機材を置いて撮影を行います。

 

これにより、役者の顔の表情や、手元の動きなどを撮影したオンライン配信用の商材を用意したのです。

 

こうすることによって、リアルなライブ映像がまるで映画の中の劇中劇のように見える

別の作品が出来上がるのです。

現場で観劇できなかった人はもちろんですが、リアルに観劇して感動した人なら必ず欲しくなる商品です。

 

また、公演前の稽古場の鑑賞チケットを販売して、役者たちが役作りをおこなっている過程を見ることのできるチケットも用意したそうです。

 

クラウドファンディングを使って、小道具の販売や、VIP席の販売などあれこれ商品化しています。

 

イベントというフロントエンド商品で集客し、そこで満足したお客様にバックエンド商品を販売するには、フロントエンドで提供するサービスが素晴らし区なければならないというのが大前提なのです。

 

西野さんの舞台のように通常の十倍もの経費をかけて行うイベントは余程の計画性がないとできることではないので真似はできませんが、店舗商売で行うイベントではこの思考は参考にしなければなりません。

 

やるからには、決して惰性で行うようなものではあってはならないでしょう。

 

 

集客したお客様に何を売るか

温浴施設ではお客様にはバックエンド商品として何を売っていくかという問題ですが

飲食やリラクゼーションなどの組み合わせ、あるいは昨今では有料のロウリュイベントなどいろいろ考えられると思います。

 

中でも、回数券飯販売強化は是非取り組んでいただきたいと思います。

 

回数券は1回当たりの単価が安くなる、割引き的要素が強くなりますが、購入をすれば来店される頻度は必ず上がります。

 

イベント販売時のプレミアムを強化すれば、何冊もまとめ買いされるお客様が必ずおられます。

 

売上の前倒しとも言えますが、回数券を購入するお客様はこの店の常連であるという認識を強く持つことになり、それはロイヤリティーを醸成することになるでしょう。

 

イベント開催時には楽しい思いを伝え、また来たいと感じてもらう。そこまで計画して、実行したからには、必ず回数券の販売促進を絡めるべきです。

 

 

温浴施設でもできる体験の販売

 

繁忙期のイベントではできないのですが、夏休みに行うイベントとして面白い取り組みを紹介しておきます。

 

先の西野さんの舞台を多角的に商品化するという考え方に近い内容を温浴施設で反映させ多様なイベントです。

 

ある温浴施設の夏休み企画として人気なのが、バックヤードツアーやお風呂清掃体験などがあります。

 

スーパー銭湯の機械室はちょっとしたプラント工場のようになっています。

井戸から組み上げた井戸水を生成する過程や、濾過器を循環するお湯の流れ、温度を一定に保つための熱交換の仕組みなど、普段お客様が目にすることのない部分はとても興味深いです。

 

工場見学さながら、このバックヤードの案内は大人でも興味深いですが、夏休みの研究課題としてはうってつけなので、親子参加を呼びかけると、結構人気のあるイベントなります。

 

ある銭湯では定期的に営業前にお風呂の清掃体験会を子供向けに行い、社会勉強の一貫としているところもあります。

 

某大型施設では、毎月の休館日は機械点検や整備を行いますが、それらが終了した夕方から数時間だけプレミアチケットを販売して貸切の会員限定運営を行っています。

 

通常料金900円の入浴料金ですが、一人4,000円、男女水着着用でサウナでは著名な熱波師によるローリュ競演や、テントサウナを露天風呂に展開するなど、サウナーがよろぶ企画を毎回趣向を変えて実施しています。

 

限定100枚のチケットは完全ネット販売で、毎回数時間で売り切れるプレミアムチケットになっています。

 

売上のない休館日に、たった数時間の限定企画で、40万の売り上げなら、かなり突っ込んだ企画のイベントが可能になりますし、ここに参加した方は施設のコアなファンになります。

 

こういったことの積み重ねが、施設のブランド力を高めるていくことは間違いないです。

 

ぜひ取り組んでみてください。

 

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。