save the sentou 日の出湯4代目田村祐一氏

 

入浴をする場所、街中銭湯の便益がそれだけであればとっくにその役割は終わっている。

存在意義がマニアの感傷だけで生き残れる筈もなく、さりとてこのままでいい筈もない!

大江戸浅草で銭湯を営む若き4代目が投げかける疑問や問題提起はしばしばマスコミに取り上げられ話題にもなるが・・・・

しかしながら悶々とした思いを抱えながらの毎日に“おのちゃん”が火をつけようと試みてきました

情熱大陸はきっとあなたの取材をしたいはずだ

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「日の出湯」4代目田村祐一氏

ブログ「めでたい」

江戸の銭湯4代目事業継承を決意する

大江戸は浅草と蒲田に二つの銭湯を経営する「日の出湯」

二代目の祖父母から可愛がられていた彼は僕も“お風呂屋さんになるよ”と言っては祖父母を喜ばせていたそうだ

しかしこれはさらに可愛がってもらう為のリップサービスであったと語る

しかし、長じて大学を卒業した彼は晴れて有限会社日の出湯の社員となる

“満員電車で通勤はしたくない”

祐一の高い志はリップサービスを現実のものとする

4月1日職場は実家蒲田の第二日の出湯

社会人初日、いつものように階段を降りると社長である父親から訓示を貰う・・・こともなくいつものように1日が始まった・・

“取りえず釜に火でもつけるか・・・”

半分”プー太郎”のような社会生活が幕を開けた

捨てれゆく銭湯!本当の理由は外部要因だけに非ず

転機は今から六年前、父親の友人に運営を任せていた浅草の日の出湯の運営を引き継ぐことになった

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日の出湯公式ホームページ

客数もどんどん減っていく中、任せていた父親の友人は長年の苦労ですっかりやつれてしまい引退の申し出があったからだ

この時点で浅草の閉鎖を決断した父親に自分が店を引き継ぐことを進言する

根拠はないがなんとかなると思ったそうだ

蒲田の「第二日の出湯」から浅草の「日の出湯」に移って半年、客数は徐々に回復をし70人ほどしかなかった1日の客数がコンスタントに100名を超えるようになる

何をしたのか問うてみたが、実は本当の理由はよくわからないそうだ

ただ、番台に座り来店されるお客様との会話を楽しむ

“若い後継者がやってきた”

“愛想の良いにーちゃんがいるらしい”

“古い銭湯を買い取ったやる気のある奴がいるみたいだ”

口コミは尾ヒレをつけて評判になる

確かに外部環境は決して明るいものではないが、ルーチンワークの中でサービスの本質を見失う内部要因の問題の方がより大きな問題だと気付いたそうだ

やるべきことはいっぱいある、一体何をどうやってやろう

4代目の心に火がついた

webマガジン「SAVE  THE  銭湯」発刊

街中銭湯の便益はお風呂に入ることだけではない、大きな便益の一つにお客様との会話(コミュニケーション)に見出した彼はさらにできることはないかと模索を始める

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その一つがwebマガジン「save the 銭湯」

銭湯好きの各界のクリエイターたちに、今後の銭湯について語って貰うインタビューブログだ

常識に捉われない発想、部外者であるがために枠に捉われないアイデア!

クリエイターと言われる人たちはできない言い訳を取り除く行動力を持っている

今回の田村氏のインタビューに臨むにあたって再度読み返してみたが、確かに勉強になる。

勝手気ままに思える意見に耳を傾けることだ

中にはそんなことは先刻承知だとか、それでどうなる?と反発したくなるものもあるが、重要なことはそれを乗り越えるヒントを彼らが提案してくれていることだ・・・

「こうあるべきだ!」という固定概念は危険だ、問題は内部要因、つまり自分の心にある事を改めて思い知ることになる

「常連さんが増える会話のコツ」の出版

銭湯はコミュニケーション産業だという理念の下に番台で繰り広げられるお客様との会話の中での心構えを実体験のエピソードを交えて1冊の本にまとめる

常連さんが増える会話のコツ〈銭湯の番台が心がけている〉

僕は6冊買って運営スッタフと共有しました

小さな日常がいかに重要か、コミュニケーションに大切なことは「聴く力」であることに気づかされる

具体的な切り口は業界を問わず全ての接客業に於いて勉強になる

こういった彼の発信はしばしばマスコミに取り上げられるし一定の問題を社会に投げかけてはいる

インタビューを聴いていただければ解るが、それでも彼は自分でも理解できない焦燥感に囚われているようだ、そしてその気持ちは理解出来る

銭湯の事業継承がすすまない本当の理由

経営者の高齢化、設備建物の老築化、長時間労働に結構な重労働

加速する客離れに後継者問題

コミュニケーション産業だと言ってみても廃業が進む街中銭湯に歯止めをかけるのは難しい

土地を手放して現金に換えたり、マンションに建て替えたりしたほうが実際は楽だしリスクは低い

施設が住居を兼ねている場合も多く、実子が後継してくれなければどうにもならない。。。

それでも灯火を消さずに続けるには、やる気のある若き運営者に委ねるしか手立てはない

銭湯業者の四代目としてその血脈で生きてきた田村氏曰く、それを阻む大きな要因があるという

それは銭湯を運営してきた人たちにある言葉にはできない「感情」なのだそうだ

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田村さんの事務所は心理学系の本で一杯

勉強には余念がない( ´ ▽ ` )ノ

父親や、その仲間である業界の先輩たちを見てきて感じる、自分の事業を今更他人に譲る気はない

「めんどくさい」

強いて言葉にすると理屈ではないそんな感情があるそうなのだ

もちろん、やる気がありますと手を挙げた人間がどれだけ本気なのか計り知れないという問題もあるが、この「めんどくさい」に隠された感情を取り除くことができなければ、他人が事業継承をさせてもらうのは夢のような話なのだ

事業を退いた後に銭湯という施設を残したまま経済的に自立出来ること

譲り渡した施設を責任持って継続してもらえること

言葉では理解できない感情を相手とするならば「銭湯の4代目」というブランドこそ重要だ

仕組みを考え作りだした上で頭に立ってもらいたい、その手助けを志願する人は多いだろう。

勿論僕もその端役の一人となれれば幸いだ

錆びれ行く街中銭湯を未来に引き継ぐ男として「情熱大陸」に出演して頂きたいと切に願っております

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インタビューを音声で伝えるブログをシリーズ化していきたいと思っています

番組を聴講していただいたご意見、ご感想を頂戴できれば幸いです

第1回:江戸の銭湯4代目

第2回:銭湯を考えるwebマガジン「save the sentou」を発刊

第3回:銭湯界の貴公子の使命

応援してね!!

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。