繁盛店になるための看板メニューの作り方3つのポイント
繁盛している飲食店には必ずと言っていいほど看板メニューというものがある。
看板メニューとは文字通り、その店を表す商品であり店名よりも先にその商品が脳裏によぎるような料理のことなのだ。
食欲とは生理的欲求の一つであり、本能であるから、理屈なく食べたいと思わせる商品があれば繁盛するのは当然のことと言えるだろう。
餃子が食べたい、と思った時に、やや大きめ厚め皮にぎっしりと詰まった餡の肉汁の王将の餃子を思い浮かべる人は多いだろう。その時王将のロゴマークを思い浮かべる人はいない。
うまいタイ料理が食べたい、僕にとってはタイ料理とは、しっかりした歯応えのあるプリプリの大きめ茹でたエビとひき肉と春雨が酸味のあるタレとパクチーを絡めて食べるあの店のヤムウンセンのことだ。
あの店の店名がすぐに出てこなくても、今この瞬間口の中に唾が出てきており、あの店のヤムウンセンと陽気なタイ人の大将の顔を思い浮かべている。
あなたにも1つや2つは、アレが食べたい、アレはあそこのアレだという料理があると思う。
あなたの店にそういった商品はあるだろうか!
一緒に検証してみましょう。
目次
看板メニューを作るための3つの条件
脳裏に焼き付き、本能が求めるメニューとは一体どうやって作り出せば良いのか、それには3つのポイントを押さえる必要がある。
順番に考えていこう。
1・看板メニューとはお客様が食べたい商品でなければならない
看板メニューとはまさに看板であり、お店の顔である必要がある。
あくまでも、お店を代表するメニューであることが大事なのだ。そのためにお店のコンセプトに沿った商品でなければならない。
美味しい魚をコンセプトにした和食の店がカレーライスやパスタを看板メニューにしてはいけないのである。
独創的で腕の良い板前が、新鮮な食材からブイヤベースから仕込んだシーフードカレーやたっぷりの魚介を使ったペスカトーレを作ればうまいものができるのかもしれない。
しかし、看板メニューとは裏メニューや気まぐれメニュー、まかない料理のことではない。料理人が作ってみたい、奇をてらった商品でもないのだ。
自店のメニューで看板となりうるの2つの条件
①自店のコンセプトに即した商品の中で、飛び抜けて、そして間違いのない料理となりうるものを創り出す。
②自店で最も出数の多い商品をとことんブラッシュアップ(よりよく)する
いずれかの方法で作り出してゆくことになる。
②の方法だと専門店でなくとも看板商品をつくることはできる
例えば、バラエティーにとんだ商品構成が必須となるある某温浴施設では、とんかつ定食の数が最も出数が多かった。そこで、とんかつ専門店よりも美味しいとんかつを提供し、看板メニューに据える計画を立てた。
従来は仕込みの終わった揚げるだけの冷凍のトンカツを使っていたが、ブランド豚を使い、自店で仕込みを行うとことから始めた。
パン粉はオーダーが入ってからつけ、2度揚げを徹底してカラッとした食感にこだわってもらった。
厨房スタッフは、主婦と学生バイトが中心であり、様々なメニューを提供する構成のため、どうしても効率重視となりますが、オペレーションの改善から手を入れてもらった。
仕込み工程、調理工程、提供の動線まで綿密に作業工程に落とし込んでもらったのだが、現場がらは相当な抵抗があった。
うちでは無理!必ず上がる言葉を呑み込んでもらい、根気よく趣旨を説明し、改善に取り組んだ。
本気で看板メニューを作るなら小手先では勝負はできない、そこそこおいしいでは意味がないのだ。
結果は、価格設定は高くたなったが温浴施設だというのに食事だけに訪れるお客様もいるくらいの人気商品となり、従来の二倍近く出るようになった。
おそらく、下手なトンカツ専門店よりも美味しく、満足いくものだったと思う。
2・看板メニューは全てのお客様に支持されなくても良い
看板商品は全てのお客様に受け入れられる料理でなくても構わない。個性的な食材であっても、熱烈な支持者を持つ味や内容、本能をくすぐる忘れられない料理を目指した方が良い。
万人受けする料理とは、可もなく不可もない、特徴のない商品ということになる。
coco壱番館のカレーは、あえて普通にこだわっているのは有名な話だ。可もなく不可もない味で、万人受けをし、量と辛さ調整と、トッピングのバラエティー感で顧客を惹きつけている。
この仕組み自体が看板なのだ、そして無難な味で良い人はcoco壱番館へ行く。全国どこにでも同じ味で、無難だからだ。
無難で勝負したらチェーン店には対抗できない。
牛テールからコトコトと煮込んだ出汁から仕込む牛テールのカレーを名物にしているある喫茶店、コラーゲンが豊富で濃厚で病みつきになる人は多い。苦手という人もいるが限定数で売り切れ御免商品となっている。
あなたの料理のコンセプトを理解した常連客を熱狂させるのだ。
何度もいうが、その内容は奇をてらったものではない。
その店のコンセプトを理解して、その店の料理を美味しいと感じてくれているフアン客が、“やっぱり間違いない!”と笑顔になるような商品であることが大事なのだ。
たった一人、あなたの店の本質を知るその人が認める商品を追求する。真剣に追い求めれば、必ず共感の輪は広がるはずだ。
3・看板メニューは差別化ではなく特別化であること
看板目メニューとは他店にない競争優位となるメニューである必要はあるだろう。しかし、他店との競争が目的ではない。視点が競合店に向いては決して看板となる商品は作れない。
視点はあくまでもお客様である。そこを間違えてはならない。
天カレーうどんが看板のうどん屋が近所にある。1杯1,600円!
大海老の天ぷらか乗ったあつあつのカレーうどんだ。
カレーうどんに、揚げたての熱々の海老の天プラをのせる時に、出汁に触れた海老天がジュッ♪と音を立てる。
オープンキッチンのカウンターで大将は必ずこの音を聞かせてから商品を提供する。
これが大将のこだわり!出汁もうどんも海老天も無茶苦茶うまいのだが、大将のお客様に喜こんでもらおうとするこの心意気がこの店の天カレーうどんの味を二倍にも三倍にも引き上げている。
このこだわりこそ名物といえよう。
広島に、生ビールの名店として有名なビアスタンドがある。
ビールはアサヒの生ビールのみ。どこの店でも同じものが提供されているのだが、ビールマイスターのマスターの徹底したビールサーバー、グラスの管理、研究し尽くした注ぎかたで、ビールの味が他店と全く違う。
究極のこだわりで、ビールの美味しさを楽しんでもらうために一人に二杯までしか提供しない徹底ぶりだ。
この生ビールを求めて広島市民のみならず、噂を聞きつけた全国の出張族も行列に並ぶ。他店と全く同じ商品でも特別な一品にすることができる。
他店との競争ではない、看板料理を作り出すためのベクトルは競合店との対抗ではない。あくまでもお客様に向けることで開発できるのだ。
上記の2つの例は、ベクトルは競合店に向いていない、他店には真似のできないような味や演出であるが、ベクトルはお客様に喜んでもらうという方向に向いている
まとめ
お店の看板商品の作るのに、意識してもらいたい3つのポイントを改めてまとめておく
1つ目はお店、料理人が作りたい料理ではなく、お客様が食べたい料理であること
2つ目は全てのお客様に支持される必要はないこと
3つ目は差別化ではなく特別化であること
看板商品はお店の冠であり、象徴である。今足繁く通ってくれているお客様が無性に食べたくなると言ってくれる逸品を考え抜いて作って欲しい。
お店も顧客の笑顔になれる看板料理はそんな存在でとて大事なのである。
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