人材不足店舗が見直すべきスタッフとの向き合い方

全国的に人材不足が続く中で、多くのサービス業もその煽りを受けています。

 

人件費を上げても、馬鹿にならない経費をかけて募集広告を出しても、誰からも見向きもされず、経営者や既存社員が現場に張りつくことで、なんとか凌いでいる職場があちらこちらでみうけられます。

 

このままではサービスの質も、現在のスタッフのモチベーションも下がりぱなしで悪循環のループですよね。

 

この現象の要因は全ては外部環境のせいでしょうか?

 

あっと驚く時給を提示すれば人は集まるのでしょうか?

 

こんな状況の中でも、離職率が低く、既存社員が活き活きと業務をこなし、補充が必要な場合はTwitter投稿一つで広告費をかけることなく人が集まる、そんな職場があることも確かです。

 

こういった職場との違いは一体どこにあるのでしょうか?

 

全てを外部環境の仕業と決めつけず、内部環境を見直してみることで解決の糸口が見つかるかもしれません。

 

人材不足は社員の絶対数か能力かという問題

コロナ収束後、お客様も戻り、集客はほぼ以前通りとなった某レジャー施設では、コロナ期間中に数名の正社員が退職をし、正社員の数は以前の半分となっています。

 

そのため、現在の社員は朝から晩までお店に滞在し、休みも思うように取れていません。

 

責任者をはじめ担当社員は現場に張り付いていますが、現場はサービスの質が下がるレベルで人が足りていないのです。

 

求人を出しても、なかなか人が集まらない、人が足りないという悩みは深刻なようです。

 

ところが、シフト表を見せてもらうと、在籍しているアルバイトスタッフの数は思いのほか多く、彼らをうまくスケジューリングすれば少なくともサービスの質を落とす心配は回避できそうに思います。

 

フルに活かせば社員は現場を俯瞰してみることがでるばかりか、無駄に長時間拘束されることもないはずです。

 

なぜ、彼らにもっとシフトに入ってもらわないのか不思議です。

 

人件費削減?それにしては求人を出しているという意味がわかりません。

 

プライドなき仕事に人は熱くなれない

 

アルバイトスタッフは仲間であることが前提

 

シフト表を見ると課題が見えてきます。

 

・月に3回しか勤務していない人が数人いる

・レギュラーメンバーの5人が同じ時期シフトに入っていない

・人が欲しい時間に薄く、そうでない時間に厚い

・月後半のシフトが組めていない

 

どうやら施設管理者は、アルバイトスタッフは自分の時間を優先する人たちで、隙間時間に働く人たちといった捉え方をしているのが原因のようです。

 

この施設では、最初にミッションを語らず、出勤の基本契約がコミットさせていない。出勤できる時に出勤すれば良く、自己都合が常に優先されることが許される仕組みになっています。

 

管理者はそのようなつもりもないのでしょうが、結果的にはそういう雰囲気が漂っているのです。

 

最も懸念するのは、月の後半のスケジュールが組まれておらず、その理由です。

 

一般的には、翌月のスケジュールは月単位で決めておくものです。少なくとも業種を問わず経験してきた中ではそのようになっています

 

ところがこの施設では直前にならなければ予定はわからないというアルバイトスタッフの主張を間に受けて、週毎にスケジュール調整を行なっていました。

 

そのため。多忙な日常業務に加え、毎週スタッフの調整という無駄な手間が加わり自分たちの首を絞めているのです。

 

必然的に出社してもらうのはお願いベースの状態になっているのです。ここまでくると、管理能力の問題が問われます。

 

誇りある仕事の向こうにお客様がいます。

 

人材が足りないと嘆く前に、会社の経営者さんなら自分の事業に誇りを持ているでしょうか、管理職なら仕事に誇りを持ってているでしょうか、まずはそこから見つめ直すべきだと主張したい!

 

事業や仕事に誇りを持つということは、それに取り組む自分にも誇りを持つことができます、その先にはそれを求めているお客様がいるのです。

 

事業や仕事を進めていくには誰かの協力が必要だから人を雇うのです、ボランテイアを寄せ集めているわけではありません。

 

少し、熱くるしい主張ですよね(汗)

 

でも、人が足りない!足りないと!といっている施設にはその熱が感じられない、どこか冷めた雰囲気があるのは共通しています。

 

アルバイトスタッフ一人一人と向き合っていますか

当然のことですが、アルバイトで働くひとたち一人一人にはそれぞれの人格があります。たとえ彼や彼女が高校生のアルバイトであったとしても、同じ目的を追求するプロとして対等な立場で接するのがマナーです。

 

対等な立場というのは、業務に誇りを持って関わってもらうということです。

 

彼らか働く目的は一人一人違います。

 

仕事を通じて彼らが求めているのはお金だけではないはずです。

・接客の技術を学びたいから、好きだから

・提供しているサービスや商品に興味があるから

・チームワークやマネジメントを学びたいから

・職場の雰囲気が好きだから

・好きな仲間がいるから

 

施設運営管理のプロなら、プロとして彼らに向き合い、共感ポイントを押さえる、お互いが協力できる状態を常に探る姿勢が必要です。

 

 

先ほどの施設で主要メンバーが、一斉に休みをとっているのは同じ高校の生徒たちでテスト期間だからだそうです。こういった問題は全国どこでもあり得ることです。

 

テスト期間なら仕方がないのかもしれません、学生ですから学業に専念してもらうのは悪いことではないでしょう。しかし、強要でなく個人の意思を確認してテスト期間でも出社できる人には出社してもらってもいいはずです。

 

勉強に取り組む姿勢にも個人差がありそ、生活にメリハリをつけた方が集中できるという人もいるからです。

 

社会では、重要な仕事が重なることなんて日常的です。そういったことを学ぶ機会にもなるのではないでしょうか。

 

私の経験ですが、試験期間になるとガンガンにシフトに入る高校生のアルバイトも結構いたように思います。

 

頭が良く、テスト勉強しなくても学校のテストでは良い点を取る自信がある人や、人生の目標が進学だけではなく、そこそこの点数ならO Kと割り切っている人たちです。

 

試験期間は、授業もなく時間に余裕があるので稼ぎ時と捉えてしっかり稼ぐ、こういったタイプの人は結構いるもんです。

 

こういった情報は日頃のコミュニケーションが取れているかどうかで決まってきます。

 

勝手にラベルを貼らずに、向き合い、困っているから助けてくれ!の一言で解決することもあるはずです。 

募集に人が集まるお店のポリシー

同じ業界で、常に新しいことに挑戦をし伸び続けている施設があります。

こ求人難の時代でも新卒社員の応募も、アルバイトスタッフの応募も採用希望者が多すぎて、よほど秀でたところがなければ採用されるのは至難の業です。

 

この企業の特徴は自分達で業界を変えていこうという気概に満ちています。

 

経営理念を共有し、アルバイトスタッフを含めた社内研修が充実しており、常に自分達に何ができるのか、特に地域貢献について考え続けることを課題として意識させているのです。m

 

季節毎のイベントや、記念行事などもプロジェクトを組み自施設だけで完結せず地域を巻き込んでアルバイトスタッフも含めたメンバーが中心となり進めています。

 

人が足りないという問題はスケジュール調整も含めて、自分たちで解決する姿勢をとっています。

 

大掛かりなイベントや、地域を巻き込んだイベント、そこに参加してもらうお客様に満足してもらうには時間と手間をかけて準備をしなければならないからです。

 

レジャー要素の強い施設はイベントや、様々な企画を立てることができると強いです。

 

淡々と施設を開店させ、営業し、閉店時間を迎える通常に営業するだけで精一杯では繁盛店になれず、お客さまも、スタッフも集まれにくいでしょう。

 

 

人材は内部資源、自社の資源に着目してみよう

 

全国的に人材が不足している中で、あらゆるサービス業、特に現場の労働力確保は苦しい状況であることは間違いありません。

 

現場仕事の多くは、お客様やユーザーと直に接する機会が多く、対人間が仕事の対象となるために、やりがいもあれば、煩わしさも多いのは事実です。

 

しかし、それだけにA I化では解決できない、人間力で差をつけることができる仕事でもあるのです。経営者が明確なポリシーを持ち、運営責任者がその思いを伝えてゆく。

 

どれだけ思いのある経営ができるかで、働く人のモチベーションも大きく変わります。

 

飲食業を含むすべてのサービス業の経営者はポリシーを語れ!

 

施設の1番のフアンはそこに働くスタッフたち、そんな施設を作り上げれば人材の不足をいう問題は解決できると思います。

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。