昨対伸び率170%!熊本ゆらっくす物語はまだまだ続く!!
昨年の7月、創業24年目の地方の健康ランドが超絶な居心地の良いコンセプトサウナとして生まれ変わり大繁盛をしていると噂は耳にしていました。
平成生まれなのに狙った訳でもなく昭和感漂っていた施設がなぜ変貌を遂げることになったのか興味はあったのですが、先日経営者の西生社長のお話しを聞く機会がありましたのでまとめてみます。
目次
震災復興という言葉にアドレナリンが分泌された
温浴事業としては強豪ひしめく熊本市内で、どの街でもありがちなサウナ好きが集まる健康ランドとして運営をしていた”熊本ゆらっくす”
経営は安泰という訳ではなく、社長の西生氏は日々資金繰りに追われながらの経営を続けていたそうです。
運営状況から何年もの間社員には賞与も払えない状況だったというから当時の西生社長の虚無感というか、メンタリテイーも想像できます。
謙遜もされていますが、当然店舗の状況やスタッフとの距離感も寒いものを感じておられたのではないかと思います。
おそらくスタッフの方もそうかな・・?
そんな西生氏の行動は震災を機に一変したのだそうです!!
崩壊する街を見て心に火がつく
もともと映画が好きで若い頃は自主映画を撮っていたこともある西生氏。
窮地に置かれ、過酷な現実に向き合い立ち上がるそんなストーリーの映画が大好きだったと言います。
震災が起き、崩れゆく故郷を目の当たりにして不謹慎にもワクワクする気持ちが芽生えたのだそうです。
この街の復興に立ち上がる、役に立ちたい!その強い思いが若き頃夢中になって映画を製作していた頃の熱い思いを呼び起こしたそうです。
崩れて、十分な修繕もできていない段階から施設を地元住民のために無料開放します、それだけではなく全国、世界中から集まるボランテイアの人たちにも温まってもらおうと無料開放で経営を続けたのだそうです。
自らも震災被害者でありながら一緒に働く仲間達には長らく支給していなかった賞与を出して労ったそうです
この姿勢に、周りは西生氏はこの震災で経営を諦めたのだと思う人もいたそうですが、ご本人は地域の復興に燃え、楽しい時間だったと語っておられました。
活動がニュースになる
意図はされておられなかったでしょうが、この活躍は多くのメデイアに取り上げられます。
街が息を吹き返す中でこの時の恩を忘れない多くの人たちがその後も施設の利用をされるようになり、以前とは違う活況を取り戻すこととなったようです。
このとき固まったのは地域住民だけでなく、従業員との関係だったようです。
若い頃映画を撮っているとき、時に役者さんを長時間待たすようなことがありました。そんな時その役者さんには悪いなという思いで、セリフを付け足したり、輝くような演出をしたものです。経営者となった自分はそんな思いを持ってキャストである従業員と接しただろうか?
震災はスタッフに対する思いを改めて考え直す契機にもなったようです、そして距離は縮まったようですね!
改装工事はゆらっくす組に発注!!
震災後評判となりお客様が増えた施設を本格的に改装する計画を立てます。
映画監督として作品を製作する感覚、楽しさを思い出した西生氏が取り組んだ作品は思い切りカテゴライズされた大人の施設です。
万人に受ける映画を目指して作られた映画は決して心に残る名作は生まれません。
この辺りの取り組みは次回に回します。(島耕作プロデユース:不健康オヤジのテーマパーク)
スタッフとの繋がりを感じ始めた西生氏は改装工事でも彼らに重要な役割を与えました。
それは徹底したDIYです。
普通の改装工事では専門業者に発注するであろう多くの作業を従業員達に割り当て作業をして貰ったのです、もちろん社長自らもその輪に入って・・
僕も学生時代劇団活動をしていたのでよくわかります。
役者をしながらプロの音響さん、照明さん、道具さん達に混じって自分たちでなんでもやってしまう、こうして一つの芝居を作り上げてい連帯感は筆舌しがたい高揚感があるのです。
2ヶ月間という改装期間の雇用の問題もありますが、思い切ってスタッフ達にプロの仕事を任せることで、彼ら自身の仕事の幅も広がりますし施設に対するロイヤリテイーも高くなるという収穫もあったようです。
スタッフは決してパーツではないのです。
今や大工仕事も、機械メンテナンスも玄人並みにこなす彼らが勤める施設は専門家いらずの温浴施設の玄人集団としてクオリテイーの高いサービス維持に役立っているのだそうです。
改装後半年が経ちますが、なんと売上の伸び率は前年比170%と好成績です。
スタッフを巻き込み、復興をテーマにした西生監督作品はどうやら温浴業界に一つの名作を生み出したようです。
今後の西生作品の成り行きも楽しみです。
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