大げさな仕掛けとその使い方
昨日摂津の湯に関する全ての業務が終了しました
施設は電気もガスも水も電話も止まり実質的な機能は何も行えない状況になります
明日以降は施設の取り壊し解体に移ることになります
何の機能も果たせなくなり、人のいない施設を客観的に見ると、改めて温浴施設の膨大さを感じてしまいます。
この場所で何を提供していたのだろうか
車の停まっていない駐車場は総数で約1,500坪
駅からわずか1分のこの場所は駐車場だけで40坪程度のそこそこの一軒家なら約40世帯が暮らすことができます
駐車場なしのマンションならばさらに多くの人たちがここで生活できます
水もお湯も出なくなった温浴ゾーンは小ぶりなスーパーやドラッグストアくらいはありそうです
それを利用するための脱衣ゾーンはコンビニエンスストア並みです
お客さまが決して入ることのない厨房や機械室はよくある町工場よりも広く
飲食コーナはファミレスや回転寿司が開店できそうですし
リラクゼーションや散髪コーナーは街中のそれに比べても引けを取らない広さです
ここで何を創造し
何を提供してきたのか
スーパー銭湯は見方を変えればとても大げさで大掛かりな仕掛けが必要な商売だとつくづく思います
それだけに経営ポリシーをしっかりと持たなければ巨大な身体を持て余して身動きが取れなくなるのは当然
業界は今新しい時代を迎えています
業績の良い施設は益々規模を拡大し、マスを対象にした集客路線を進める一方で、
再生を図るべき施設はターゲットのセグメントを行い独特な運営を行う必要があります
注意が必要です
かつて社会を支えていたGMSのポリシーは今は通用しなくなりました
巨大化し進化をするモールが生き残るには、今後巨大だけど個性を出したセレクトショップの集合体でなければいずれ同じ運命を辿るような気がします
消費者が欲しいものはもうありません、お腹は既にいっぱいです、
安くても胃袋に限界はあります
安易にモノを提供しても、もうそれは持っているし欲しくはありません
上から目線の経営はバケの皮が剥がれてしまいます
しなやかで、思いがあって、共感が必要
同じことがこの業界でも言えるのでしょうね
どこを見て、誰を相手に何を提供するのか・・・
帰りに本を読もうと思ったスターバックスは人がいっぱいで座れません
男湯にも満たない広さのこの場所で売られているのは1杯400円のコーヒーではないでしょう
美味しいコーヒーという基本的な商品と、それ以上に”自分の時間を持つ場”を提供しているのでしょう
スタバのポリシーはまだ共感されているようですね
共感無き商売は今後「大」も「小」も大変なことになるような気がします
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