運営を途中断念する責任

週に一回クレームの電話をかけてくる年配の男性がいます

20分ほど主張を展開され、一旦終わったと思えば5分後に必ずもう一度かかって来ます、言い足りなかった事を補足すると言った感じですかね(-_-;)

その内容はもちろん多くの示唆に富んだものもあり、素直に反省して運営にフィードバックすべき指摘が沢山あり、ありがたい事ではあります

しかしその内容はやがて従業員の個人批判や経営の細部に至る方針にまで至りかなり自己中心的な内容に変わっていきます(-_-;)

同じ話を延々繰り返されるので電話口に身柄を拘束されてしまい埒があきません

ぼくはお客様は神様とは思っていませんので不条理な場合ははっきりと自己主張しますし場合によっては反論します

従業員を守らなければならないと判断した時は

”表に出ろ・・・!!”

とやってしまった事もあります(若干自分を見失っていますが(`´)

そんな調子ですからこのお客様とは毎回電話口で険悪なムードになります

”嫌ならお越し頂かなくても結構ですよ!”

”そんな運営しとったら客数減るぞ!つぶれてしまえ!!、ガチャーン!!”

だけど翌週には必ず電話がかかって来ます(*_*)・・・・・

色んな愛情表現がある、愛されていた事に感謝します

店舗の閉鎖を告知した昨日、このお客様から電話がかかってきました

いつもは名前も仰らないのに昨日は

”○○の△△と申しますが・・今朝貼り紙をみました”

いつもと違う丁寧な出だしに違う方かと思いましたが

”お店を止めるのを止めて頂きたい”

もうこの言葉の一点張りです

”あのな、水風呂はなおさんでええです!(現在水風呂故障中です(/ω\)

”入浴料金は100円じゃなくて200円値上げしても構いません”(値上げの予定でした)

いずれもこの件で以前随分とやり込められました

”わしはずーとそこに通っとるんや、なくなったら困るんや、なんとかしてーな”

結局昨日も20分捕まりました(ToT)/~~~

企業にとって最も大切な事

ゴーイング・コンサーンとは「継続経営」のこと

企業経営理論では最も重要で、まず最初に理解しなけらばならない企業の究極の目的です

「企業経営には途中で止めるという概念はあってはならない」と教わります

商売を始めたのならばお客様に便益をもたらし、売上を上げて、利益を確保し、存続し続けなければならない

勝ったとか、負けたとか、儲かったとか、ボチボチだとかは関係ないとは言えませんが本質からすれば二の次三の次です

時代の流れをしっかりと見据え、自己の強みをしっかりと見極め、自己の土俵を知って、誰の為に何の為に事業をしているのかを明確にしてそして経営を続けていくことが経営者の責務です

今回の撤退を受けて多くの方から励ましや慰めのお言葉を頂きました

ありがたい事ですがこれだけは事実です

時代や競合店や環境の変化に負けたのではなないと言う事

ゴーイング・コンサーンに照らしあわせるとするなればそれは己に負けたのだと言う事です

更に多業種を展開する企業としてゴーイング・コンサーンの為にとった選択が事業部の廃止であると言う事実です

安心してください元気ですよ

遠巻きに眺めて頂いている方、応援のメッセージを頂いた方

ありがとうございます

しかし安心してください

”不謹慎だ”

とか

”ちょっとは反省しろ!!”

と言われるかもしれませんが

元気ですよ

「しくじり先生」のオファーがあればいつでもお受け致しますYO(-ω-)/

冗談や洒落にはならない事

敢えてポップな言い方をしましたが、もう一つの事実があります

それは先のクレームをくださるお客様を始め多くの今迄我々を応援してくださり、共感してくださり、愛してくださった方々の期待を裏切ってしまったと言う事

今後そういった方々に今迄のサービスの提供が叶わないと言う事実は真摯に受け止め反省し、お詫びしなければなりません

そしてもう一つ、今迄一緒に働いてくれた多くの仲間にも申し訳が無い気持ちでいっぱいで心からお詫びします

お客様にとっても、従業員にとっても日常の生活に溶け込んだサービスを提供しその中でライフワークを生きる人達にとってはそれを止める責任は企業としてあまりにも大きいと言う事は間違いのない事実です

多くの温浴施設を始めお客様や従業員にとってなくてはならない企業や施設は上手くいっていても、そうでなくても、改めてその責務を見つめ直す必要があると言う事実を・・・

おまえが言うなと言われるかもしれないですが、今のぼくだからこそそれをお伝えしたかった

”どうしても無理なんか、なんとかならんのか、仕方がないな・・・”

寂しそうに、いつもとは違い静かに受話器を置かれた男性のお客様

受話器を握りながら感じたのはそういった事です

応援してね!!

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。