独自の世界観を伝承する人には心がザワつきます
店舗のコンセプトや雰囲気作りには世界観を作る必要が大切で、その為には本質的な部分からコンセプトを理解しなくてはならないので、時間も手間もかかります。
ある方がこのような事を仰っていました
こういった言葉を聞くととても心がざわつきます
自分のコンセプトは一体何だろうか
それは明確に言葉にできるだろうか
それを明確に人に理解して貰えるだろうか
コンセプトはお金で買えるものではありません
雰囲気創りはオペレーションで解決できる問題ではありません
世界観とは個性です
話しは変わりますが5年ほど前から年に1回か2回訪ねるビストロがあります
腕の良いオーナーシェフでお値段もお手ごろなのでカウンター10席とテーブル1席のお店はランチは予約が取れないし、夜も女性客を中心にいつもいっぱいです。
シェフは来店時に”お待ちしておりました”と帰り際に”いつもありがちうございます”の挨拶以外基本お客様とは話をしません(いつも満席なので料理作りに集中されているのでしょうが・・・(^^♪
お客様の相手はカウンターの中で一人の給仕係が行います、全体を見渡しながら料理の説明を行い、オーダーを取り、料理を手際よくサーブして、お客様の状況をみながら均等に、お客様の会話を邪魔しないように声をかけながら会話を行う
最初の頃はシェフの奥様が給仕でしたのでシェフの事は誰よりも理解をしており、どういった修業をして、創作料理の拘り秘話を含めて様々な薀蓄をピンポイントで会話に挟む、この店で恐らくこの方の右に出る人は現れないでしょう
暫くして奥様の代わりに韓国からの留学生給仕係になりました。流暢な日本語で気が利いていて、会話の話題も豊富な爽やかで優れた青年でした
先日1年ぶりにお邪魔すると、あの若者は徴兵義務があるので帰郷したと言う事で一人の大学生が給仕に入っていました
20代のカップル、30代のOL、40代の女性グループ、50代のオッサン、様々なお客様に礼儀正しく、要領よく、そして会話もお客様に合わせて卒なく話題に合わせた会話ができます
年齢を聴くと驚く事に20歳になったばかりだと言う事です。
料理人ではないですし、若いですから料理に対する深い造詣がある訳ではありません
ソムリエでは無いですし、まだ20歳ですからワインについて深い理解がある訳でもないでしょう・・・
然し、私ごとき美味しけれんばそれでよいオッサンには逆に専門用語を並べ立てられるよりは肩ひじ張らずに心地よい接客です
意地悪な質問をしました、
オーダーしたワインについて説明をしてくれたので、20歳になったばかりでどうやって味を覚えるの?
と尋ねると
少しはにかんだ笑顔で、営業前後にシェフが口に含ませてその感覚を教えてくださるのですという回答でした。
この青年もかなり優秀な若者です、会話の引き出しも豊富で天性でもあるでしょうが勉強熱心なのだと思います
それ以上に僕はやはりこのシェフの凄さを感じます
20歳の学生に、韓国からの留学生に、料理の事、素材の事、ワインの事、料理の提供の仕方、会話の入り方、受け答え、会話の仕方・・・
恐らく営業外に時間をかけて熱心な教育をされており、彼等も本業は学生であってもそれに応えるための勉強を日々しているのだと思います
年齢が若くても、外国人であっても、シェフの世界観を伝え、コンセプトを理解させ、アットホームだけど少し格調のある雰囲気を保っています、料理の腕だけでなくてそれが人気を持続させている秘訣だと思います
世界観を持って、その本質を伝えていく事は時間と手間と思いと共感が必要です
私に二十歳の学生をここまで教育できるだろうか・・・(-_-;)
またしても、心がざわついてしましました(-。-)y-゜゜゜
最新記事 by おのやすなり (全て見る)
- 迷惑客を出禁にするのは施設の使命である - 2023年9月27日
- ビジネスを成功させるための“Save the Cat”の法則 - 2023年9月24日
- 西野亮廣に学ぶプロジェクトの役割と情報共有の必要性 - 2023年9月11日