混浴だった江戸時代の銭湯(日本のお風呂の歴史)

現代日本の入浴習慣は世界から見ると珍しいもののようです、それは内湯と外湯、つまり家庭でも公衆浴場でも海外とは習慣が違います

日本の家庭には基本的に浴槽があってお湯を溜めて入ります、入浴を医学的に捉えた場合これが重要です。しかし世界中を見回しても全ての家庭に湯船があるという国は珍しいのです。あったとしても基本的にそこは体を洗う場所という認識です

 

なぜ日本人はお風呂好きなのか

子供の頃映画のワンシーンでシャボンだらけで体を洗う女優や、洋式の湯船にジーンズとスニーカーを履いたまま浸かりスニーカーを洗うCMを見て衝撃受けたのを覚えています、先日このスニーカの復刻版を見つけ思わず購入してしましましたが当時は3,800円という子供には衝撃的な価格でしたが、1万円を超える復刻版の価格にも大人となっても衝撃を受けながらクレジットカードを切りました

前回の入浴の歴史世界編では宗教との関係をお話ししましたが、仏教の発祥のインドや伝承して広まった中国、儒教の国韓国でも日本の様に日常的に湯船に浸かる習慣はない様です。ではなぜ日本人は湯船に浸かるのか、もともと日本に於いても各家庭に浴槽があったわけではなく、各家庭に浴槽が標準的に存在するようになったというのは高度成長期以降のことです。

また外湯である銭湯の普及は江戸時代以降形を変えながら広まりました。過去においても家庭に湯船を持つの士農工商それぞれの階層でも限られた豪農や豪商のみだったと言えます。

ではなぜ高度成長期以降日本だけといってもいいほど国を挙げて定着したのか

一つはやはりお風呂に浸かることが好きな国だということです。

日本は世界有数の温泉国と言われます。確かに火山国の日本には多くの源泉が存在しますが、世界中にどれだけの源泉があるかは不明なので単純には比較できません。ただ多くの源泉を温泉として日常的に浸かるのは絶対的に、圧倒的に、日本が多いのです。

日本は宿泊を有する温泉地は全国に3200箇所。源泉地は3万箇所以上との調査結果があります、これに匹敵するのは国土の広さが25倍の中国で温泉地が3000箇所とされていますが源泉地の数は把握されてません、多くの国で源泉を温泉地として捉える風習がないため記録調査を行なっていないというケースが多い様です他の国では源泉があったとしてもそれを入浴のために使用はしてはいないのです。

日本の気候は夏は暑くて湿度が高く、冬は寒い、源泉も豊富、そんな中で信仰や清潔という目的以外に古来から入浴に癒しを求めてきました、そのDNAが近代国家を迎えて各家庭に湯船を持つという形となったのでしょう。豊富な水源は他国と比べても安価に使う事ができたことも大きな理由の一つだと考えられます。

日本の銭湯の歴史

では、公衆浴場の観点ではどうかを考察してみましょう

日本の公衆浴場は海外と同じく宗教的な儀式、儀礼からの流れで存在していました、仏教が伝来し、僧侶たちが身を清めるお寺の中の「浴堂」があり、この浴堂を貧しい人や病人に開放したものが始まりと言われています、

鎌倉時代にはこれを一般人に無料解放する風習となり、やがて料金を徴収する形となったのが銭湯の原型と言われています、室町時代には商売としての銭湯を行うものが増え、庶民が利用するようになりました

江戸時代は300年続く中で銭湯の形態も変化をしていった様です、江戸初期は蒸し風呂が主流でしたが、やがて膝下まで湯船で上半身は蒸気を浴びる戸棚風呂が主流になり、その後柘榴口という低い入り口を潜って入るスタイルで独立した湯船に浸かる浸かり湯が登場しました。柘榴口は湯船の蒸気が逃げないようにという目的もありましたが、立ち込めた湯気と囲われた暗い空間で湯船のお湯が見えず、そのお湯は洗い場で使ったお湯が戻されるていましたので、熱効率は良いのですが衛生的に問題があったようですが、その汚れが見えないようにする目的もあったそうです。

当時のお風呂は男女混浴が主流で、薄暗いお風呂の中では風紀的に非常に問題がありました、のちに混浴は禁止され時間や曜日で区分けをするようになりましたが必ずしも守られていなかったようです?タイムスリップして行ってみたいようなそうでないような?複雑な心境です。

明治になると柘榴風呂は禁止され、徐々に近代化し、戦後から高度成長期にかけて都市部を中心に街中銭湯が開業し、全盛期の昭和40年頃には全国に2万2000件の銭湯が経営さていました。しかし家庭への浴槽の普及により街中銭湯は徐々に減ってゆき現在は4000件を割っています。

レジャー産業から健康産業へ

私は温浴施設の集客のコンサルタントをしていますが、今後街中銭湯の役割が見直されると考えています。現在の銭湯や温泉は産業のカテゴリーではレジャー産業になります。

家庭のお風呂が普及して外湯を利用する人が減りました。銭湯に変わるスーパー銭湯の台頭でお風呂の楽しみ方も多様化しましたが、その目的はレジャー的要素が強くなっています。今お金を払ってお風呂に入る人はお風呂を嗜好として使われています

ところが今後の健康寿命の関心の高まりの中で、しっかりと深くて広い湯船に浸かり体を温めることと健康の結びつきが明らかになると、銭湯はレジャー産業から健康産業にシフトします、1ヶ月に1回や2回の利用ではなく、日常のルーチンな行動として捉えることで効き目は発揮できます。身近でリーズナブルな銭湯は視点を変えるとことで重要な役割を担うと感じるからです。

Let’s go to public bath for health

皆さんもたまには街中銭湯に行ってみませんか

 

 

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おのやすなり

小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。