パンデミックを回避した民族(世界のお風呂の歴史)

現代の日常生活の中で各国のお風呂事情

日本の様に日常的に浴槽に浸かる文化がある国はいったいどれほどあるのでしょうか

多くの国では入浴は体の汚れを落とすものと考えられています、毎回湯船に浸かって寛ぐといった発想はあまりない様です、欧米の浴槽は体を洗う場所であるため20センチほどお湯をため、後はシャワーが飛び散らないよう上の方が広くなっています。

そもそも、バスタブがなくシャワーだけという家庭も多い様です。ロシアは気候が寒いため日本同様湯船に浸かり温まるという風習があります。

ビジネスホテルのユニットバスの様にトイレとシャワーが同じという作りも世界中によく見られます、韓国や中国は脱衣場ではなく浴室に洗濯機も一緒に置くケースが多い様です、日本の様に洗い場のすペースを考えなければ効率的なのかもしれません。中国は脱衣場という考え方もなく、いきなり浴室というケースも多いようです、

我が国は湯船にお湯を張り肩まで浸かる、そこに幸福感を覚える国民性ですので単に体を清潔にする以上のメンタルな部分も担っています。もともと日本の入浴文化は仏教との結びつきが強く仏教伝来の際僧侶の沐浴のための建立されたものでしたが、施浴といって一般市民に解放した事が始まりと言われています。そういった意味では最初から精神面の結びつきが強かったのではないでしょうか。

宗教と入浴の結びつき

ヒンズー教では洗い清めるという意味で沐浴が欠かせませんが、発祥の地インドではガンジス川での沐浴が有名ですが多くの寺院では寺院の近くのため池や川で行なわれています。ただ川の水は必ずしも衛生上良い場合ばかりではありません、そういった意味で体を清潔にする目的ではなく多分に精神面との関係が強かったのだろうと思います

ではキリスト教の文化圏ではどうだったのか?

ざっくりっというとキリスト教以前、紀元前の文明初期は入浴は退廃的なものと捉えられていましたが紀元前4世紀になるとギリシャ文明・ローマ文明の中で入浴する文化が生まれました。テルマエなどが有名です、こういった中で広まった入浴文化は社交場や娯楽施設としての色合いが濃かったため、キリスト文化が始まると厳格な信者から売春の温床となったり、飲酒場として怠惰の象徴として敬遠されるようになりました。

温浴施設の運営サイドから見る近代以前の公衆浴場について疑問に思う事があります、それはお湯の衛生管理はどうしていたんだろうか?って事です。

温泉地であれば豊富な熱いお湯をかけ流す事でいつも新鮮なお湯に浸かる事ができますが、沸かしたお湯をためて使う場合、特に大きな浴槽の場合衛生的に保つのは相当大変な事です、現代の公衆浴場は塩素殺菌が義務付けられていますし、濾過循環といって絶えず浴槽のお湯の汚れは濾過され汚れを取り除いています、温浴施設運営のプロとして考えるとテルマエのお風呂に浸かるのは実はゾッとするのです

事実、コレラやペスト、梅毒などの流行の温床になるとしてキリスト教下での公衆浴場はほとんど見られなくなりました。

宗教別でのお風呂の歴史を見ますとイスラム教はハンマームという蒸し風呂に入る習慣があり、中東では今でも日本の銭湯のような形で公衆浴場としてその文化は残っています、この風習はロシアや北欧にも広まりサウナ文化の原型となったようです

パンデミックを回避した民族

ユダヤ教では古代ユダヤ人にとって入浴は社会的な義務であり、入浴によって体の清潔を保つことはモーセの律法にも含まれています。また、ユダヤ教の聖書であるタルムードでは「ユダヤ人は、公共浴場のない町には住まないこととなっており、ミクヴェとという宗教儀礼に浴槽を使っていたようです。日常的な入浴習慣はわかりませんが、ユダヤ教の人々は綺麗好きで中世に入浴習慣のないヨーロッパでペストが大流行した際にユダヤ人には感染率が低く、ユダヤ人が毒を盛ったとして迫害を受けたという歴史があります。今でも日常的に手洗いをする習慣は日本人と共通するところがあります。

 

世界的に見て、入浴は宗教儀式と入浴は関係深いようです。しかし日常の入浴は水を確保し、お湯を沸かし浸かるには様々な技術が発達しないとむつかしい事だったでしょう。

 

さてでは文明や技術が発達した現代での世界での公衆浴場ですが温泉が湧き出る地域はそれを利用して入浴するという文化は世界中こにでもあるようです。体を癒すという目的は同じようですが日本の趣とはすし違うようです。フランスやドイツでは有名な温泉地帯がありますが、ここでの目的は医療行為として捉えられており、温泉医の処方箋を元に入浴するのが通常です、ですからドイツ人やフランス人が“疲れたな!あー風呂入りてえ〜”とは言わないようです

日本でお風呂文化が普及した理由

日本は水資源が豊富な国です、安全な水がどこでも飲める国として有名ですが海外は場所によって水はとても貴重なものです、ですからシャワーの方が合理的とも言えます。バスタブはお湯に浸かる場所ではなく体を洗うところという感覚が強いようです。

それから家庭で貯めたお湯を家族で順番に入るという行為もクレイジーに映るようです

つべこべ言わずに浸かってみろ!!と言ってやりたいところです。

ところで最近は入浴に興味を持った観光客が多く、銭湯やスーパー銭湯も観光客を意識した取り組みを始めています、私も今後日本の湯船に浸かる入浴を日本だけでなく世界に広げる役割を担えればと思っています、

Soak in the bath and feel happy

湯船に浸かって幸福を感じましょう

 

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おのやすなり

小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。