横浜魂 保土ヶ谷命 満天の湯社長の地域愛

伝統ある製造業から接客を中心としたサービス業に舵を切った経営者に立ちはだかる壁

”商売は理屈じゃできない”

左脳派集団たちを右脳派経営で切り抜けた経営理念を聞いてきました

 

株式会社モリヤマ公式HP

業績不振の課題は外部要因に非ず!内なる改革が必要

横浜市保土ケ谷区創業六十年を超える株式会社モリヤマ

貿易港である横浜はシルクの集散地でもあり、保土ヶ谷区には浮世絵などの高い木版技術を持った技術者が集まりプリント加工を始めました

その染めもの技術の品質の高さは捺染と呼ばれる高級な染物として国内外で高く評価を受け長らくこの地の産業として栄えました

株式会社モリヤマもその捺染工場の老舗の一つとして成長を遂げましたが・・・・

環境問題や時代背景の変化でやがて産業は衰退し危機が忍び寄ります

事業転換でサービス業に乗り出しますが合理的な技術集団は左脳派揃いで商売下手

三代目の長男から経営を受け継いだ弟が右脳派経営で会社を立て直す

天命として自分に忠実な経営を行うこととなります

株の失敗・投資は事業に集中せよ

先先代の社長は実質的な創業者である森山さんのお父様

繊維で堅実に儲け、手元に随分とキャッシュがありました

資産運用も会社の運転方法としては正しいことですし、今よりも時代は営業外収益に依存しているケースも多かったと推察できます

株の運用を行いそれが裏目に出たようです、最大130億の負債、主力産業の衰退、小泉政権下に置ける金融の引き締めは“貸しはがし”をもたらします

目も耳も覆いたくなるような環境下でなんとか持ちこたえている状況で負債を縮小しながら先先代から事業を引き継いでいたお兄様から事業を継承します

しかしこの時点でまだ負債は80億が残っていました

異業種参入をするのならば命より重い覚悟が必要

森山氏はそこから処分できる資産はすべて処分して行きます

すべての株を売り払い、負債は40億まで圧縮しました

残されたものは、社員と創業来この地で事業を続けてきた保土ケ谷の上星川という場所とそこにある1800坪の土地だけです

この地で事業を続ける、立ち上げたスーパー銭湯は失敗が許されるものではないのです。

この時の気迫のこもった言葉にはぞくっ!とさせる凄みがありました(放送を聴いてみてください)

言葉にはおっしゃいませんでしたが、俺一人の命で済むものではないという当時の覚悟が伝わるような気がしました

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満天の湯公式ホームページ

左脳軍団の中で右脳社長が挑んだ改革

経営を受け継ぐと借金以上に頭を悩ます課題に取り組まなければなりませんでした

森山家は創業以来製造業の家系、企業内のメンバーもゴリゴリの合理化主義の超左脳派の人たち

商売と言っても人に頭を下げるということを知らない集団をどう改革してゆくか?

実は左脳派の森山家の中にあって次男である氏は学校を卒業後家業に入るのでは多くのサービス業の仕事を経験してくるように命ぜられます

森山家の右脳派を担うように宿命付けられていたのかもしれません

人を大切にすること、お客様目線に立つこと、モノを売っちゃいけない、大切なのは感情、人を育てそして信じて任せること・・・

温浴業は副業として遊休地利用などで参入されるケースが多く案外思い入れが希薄な経営者が多いと感じるのですが、なぜ森山さんの会社が経営される温浴事業「満天の湯」で働く人の目の輝きが違うのか?

企業の理念とか、経営者の想いとかをコロンのように直接肌にベタベタ塗りたくった企業人としてでなく温浴事業者としての想いを持った人たちなのか?

六十年続く企業歴史の中でわずか十数年の新規事業の人たちがなぜこのように誇り高く仕事をしているのだろうか?

その中に宿る理念みたいなものに経営者トップの匂いがあるのです、消化された理念とでもいうべき匂い、平たく言えば付け焼刃のコロンでは出せない体臭です

それが知りたくて取材をお願いしました、今回の取材を通じてこの企業の人たちの身体から出る匂いの原因が良く理解できました

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資産は「ヒト」と「地域」

現在モリヤマグループは家業であった捺染工場とその技術から派生したプリント基板の工場関連事業を他県で行い、本社敷地内では展開される温浴事業及びテナント業務を中心に事業を展開しています

サービス業で大切なのは「笑顔」と「おしゃべり」

モリヤマでの採用基準は「笑顔」と「おしゃべり」

「笑顔」は作った笑顔じゃなく「笑顔」がいい人、それが自然にできる人柄ということ

「おしゃべり」は相手の意を察する、つまり「聴く力」気遣いを持った人ということ

そしてそういった人が育つような風土がモリヤマイズムとして根付いている

大型競合店進出で安心したこと

数年前に商圏内に大型の温浴施設が進出してきた

当然集客には打撃的だが、森山さんはその施設を調査して安心したという

低価格で大勢の集客を行う施設のオペレーションは合理的、売り物は「設備」と「捌く仕組」

接客業として棲み分けが出来ると感じたからだそうです

地域と共に成長する

モリヤマには商店街専属担当社員がいるという

営業をするのではなく、彼は毎日地元の商店街に出向き店主に困ったことや問題点を「笑顔」で「おしゃべり」してくるのだそうだ

地域が資産ならば、地域を育てなければならない

目の前の利益だけを追いかけていてはやがてその行動は行き詰まる、地域のおかげで恵みを得るならそこに種まきをしなければならないという理念なのだろう

様々なコラボレーションが進み、商店街が衰退させないことが事業の安定に繋がるという思いだ・・・

経営者は思想を持つべきだと思います!!

徳川家康が嫌い、僕は石田三成が大好き

個人的なことも突っ込んでみました

歴史好きの森山さんは徳川家康が嫌いだそうです

利より義に生きる、歴史上ではマイノリテイーでも忠に生きた石田三成が好きでご子息にも「成」の字を宛てたほどだそうです

40歳を手前にクリスチャンになる

靖国参拝もするし、皇居に参礼にも行かれる、FBを拝見しているとそんな投稿をされているので僕はてっきり神道を信仰とされているのかと思っていました・・・

ところが、森山さんはクリスチャンだそうです、40歳を手前にしてしかも家族の中で唯一のクリスチャンとなったそうです・・・

その経緯をお聞きすると、如何に自分に向き合いながら生きておられるのか、信仰よりももっと大きなものを持っておられる気がします、この質問をした時にふと見せられた表情にとても奥深を感じました(音声でもそれは伝わると思います)

なんの思想もない、信仰もない、日本ではそれが一般的と言われますがそれは間違いで生きていれば誰でも「思い」はあるはずです、それを思想と呼ぶかどうかは別にしても問題は「思い」を自分で理解しているのかどうか?

インタビューをしながら僕はそんなことに気づかされてしまいました

経営理念がお飾りになっている企業が多い中でそれを共有できているのは経営者の”思い”がしっかりと伝わるからです

そんな人に会って、それを伝えてみたい・・・

インタビューを通じて会いたい人に会えたそんな気持ちになりました

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業界も応援しているモリヤマグループ:おふろアイドルOFR48

経営者は大切なものの順位を持っている

経営者として大切なものの順位を教えていただきました

社員とその家族→上星川→保土ケ谷→横浜→日本

だそうです、社員と地域を大切にする、経営を引き継がれた時の思想は当然今も強く持っておられます

因みに、横浜と日本の間に神奈川が抜けております

インタビューの後で食事をご馳走になりましたが、酔った勢いでそれを聴いてみると・・・・

うーんハマっ子にしか理解できない感情があるようです

その件は呑み屋で聞きましたので収録されておりません(笑)

どこまでもチャーミングな森山さんでした

音声でお聞きください

 

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インタビューを音声で伝えるブログをシリーズ化していきたいと思っています

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森山元明 異業種への方向転換は命がけです

森山元明 サービス業では人こそ商品

森山元明 この国を愛し、この地域を愛する

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。