使った水は再生させるのが理想ですが・・・水の使用を考える③

水の使用を考えるシリーズ第3弾

スーパー銭湯等温浴施設は多くの水を消費します、水にかかるコストは膨大です

コスト削減のためのイロイロな提案や方法が情報として集まります

その中の一つに使った水の浄化を考えると言うモノがあります。

実現できればランニングコストは下がります

地域によっては地下水を汲み上げられない処もありますのでこの限りではありませんが我々のような街中で営業を行うスーパー銭湯は大体に於いて地下水を汲み上げそれを精製して湯船やシャワーに使います、水道水は単価が高く仕入れコストが高いからです

このための設備投資や、メンテナンス費用、このためのランニングコストはかかりますが、水1トン当たりの単価はグーンと下がります

然し、頭が痛いのは下水代です。

山間部の温泉地や下水処理お整備が進んでいない地域では自然放流が許される地域もありますが、環境問題の観点から許されない場合が多いのです

我々は下水代を支払って下水に放流していますが、これがビックリするくらい高いのです

もしも使い終わった水を合法的に下水放流せずに処分できればこれは嬉しい!!

ですが・・・・

自然放流に対する高いハードル

使い終わった水を自然放流、つまり雨水が流れるように河川に流すためには汚れた水を奇麗な水に戻す、浄化する必要があります

浄化した水は放流せずに湯船やシャワーに再利用することができれば地下水を精製するコストの削減にもなります

投資コストと見合うかどうかという問題があります

ならばさっさと設備投資をしましょう・・・・

とは言うモノのこの設備、おいそれと導入できるほど簡単なものではありません、それなりの設備投資を覚悟しなければならず、ランニングコストは下がったが減価償却がべらぼうに上がる・・と言う事は十分に考えられます

河川放流の許可が下りない

綺麗な水ならいくらでも放流できるかと言えばそうはいきません

放流をしても良いという行政のお墨付きがふ必要になります

この考え方は管轄する市町村によって全く考えは変わります

海抜の低い地域は河川氾濫の恐れから許可が下りないケースが多いです

最近ではゲリラ豪雨などで街が水没するような現象があちらこちらで頻発しております

こういた都市災害を防ぐ観点から許可が下りにくいどころか、敷地内に降った雨水さえ一定量以上流せない場合もあり、この為の雨水タンクを義務化したり推奨したりという市町村もあります。

我々の施設も施設内にいくつかの雨水枡が設置してあり一定量以上の雨水は流れないようになっています、流れない雨水は駐車場にたまるような仕掛けで、駐車場は緩やかな勾配がついており、ゲリラ豪雨の際はくるぶしが浸かるくらいまで貯まる事も間々あります

更に地域によっては河川の生体保護の観点から水利権者の許諾を得られない場合もあります

例えば温浴施設で排水する水は河川の水温よりも高くなります、一定温度に下げて放流するにしてもお湯の排水量は一定ではありませんので排水温度を一定に保つことも難しいのです

資源の保護という観点では使った水は再利用することが理想ですが、その為には越えなければならないハードルがいくつもありそうです

応援してね!!

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。