宿泊業・温浴事業の事業再構築補助金の使い方
事業再構築補助金の第4次募集が締め切られました。
令和2年度補正予算による募集は残すところあと1回、来年の1月中に第5回の公募が発表される予定です、
令和4年4月以降も令和3年の補正予算として引き続きこの制度は継続されると発表がありましたが、予算は大幅に引き下げられましたので、補助額も引き下げられる予定です。思い切った投資をお考えであれば、次回の公募にチャレンジされることをお勧めします。
目次
事業再構築補助金に採択される計画とは
事業再構築補助金の目的は、コロナによって打撃をうけた事業者が、思い切った方法で事業を再構築し、コロナの影響で痛んだ業績を回復させるために必要な投資に対して、それを補助する制度です。したがって投資して行う事業は従来の事業と比べて、提供するサービスや提供方法、市場に新規性が求められます。
単に古くなった設備を更新する、改装して綺麗にするというのではサービス、提供方法、市場いずれも新規性がありませんので対象になリません。補助金の対象となるのは新たな挑戦に関するものだけなので、これに関係のない投資を計画すると採用は難しくなります。
コワーキングスペースの運営を行う銭湯
銭湯を運営するA社は、サウナの改装、炭酸泉の導入と待合スペースの改装をしたいとの希望がありました。しかし、この内容では事業再構築補助金の対象になりません。
そこで、現在の待合スペースと、現在使用していないフロアーを使って新たな事業としてコワーキングスペースの運営を計画し、新たな収益源の確保を計画、お風呂に入れるコワーキングスペースの開業を計画しています。
炭酸泉の導入やサウナの改装には残念ながら補助金は使えませんが、新たなビジネスを行うことで相乗効果も期待できるため、既存事業は補助金を使わず行い集客の増大を目論んでいます。
薪サウナが楽しめる温泉旅館
温泉旅館を営むB社は、露天風呂にサウナを増設したいとの希望がありました。この案件もこのままでは新規性要件を満たしていません。新たなサービスの提供ではありますが、顧客(市場)や提供方法に新規性がないからです。
そこで、従来宿泊客のみ入浴できる温泉を日帰り温泉としても入れるように営業形態を変え、薪サウナのある日帰り銭湯として開放するとともに、遊閑地をテントで宿泊できるグランピング施設として新たな事業を行う計画を立てています。
こうすることで、従来行いたかったサウナのある旅館という目的と比較的近隣の日帰り温泉利用客、グランピング志向の新規客の取り込みという新たな市場を開拓することとなりました。
積極的な事業計画が大切
コロナによって人々の意識や生活、消費行動は大きく変わりました。
守りの事業では例えコロナ禍が終焉したとしても元に戻る保証はありません。今回の補助金は果敢に事業を再構築させることで新たなステージに立つことのできる企業を支援する補助金です。ぜひ挑戦してみてください。
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