競合店がやってくる!
滋賀県のとある温泉施設を訪ねてきました。
純和風作りで長い長い回廊のある平家建て、田舎の武家屋敷のようなちょっと鄙びた雰囲気を持った心が落ち着く日帰り温泉施設です。
ここの支配人は多くのスーパー銭湯の繁盛店を歴任した名物支配人でその体験談や、なかなか聴くことのできない裏話など勉強になることが多いのです*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*
話題が来年この地区に進出する競合店「S」の話になりました
「S」は関西を中心にクオリテイの高い施設を展開する施設で多くのお客様を喜ばすツボを抑えた良い施設を展開する、おそらく関西では最も勢いがある温浴運営をする企業です。
私は嘗てこの「S」の旗艦店ともいうべき施設がある地域で新店を立ち上げた結果大変苦労した経験があります、しかも数年後には私が関わる安定した運営を行っていた施設の商圏に逆に「S」が新規出店し更に苦労した経験があって一時期寝ても覚めても競合である「S」のことばかりを考えていました。
当時は『S』が導入する設備はすべて手に入れたいと考え、『S』が取り組むイベントには勝手な解釈をし、『S』はなんとも思ってはいなかったでしょうが勝手に対抗意識をメラエラと燃やしていたことを思い出します。
競合店は意識するな、顧客を意識しろ
寝ても覚めても競合店を意識してはいたものの、売り上げはどんどん落ちていき行き詰まりを感じていた頃、ある人から気づきをのある助言を得ました
「お客さまはなんの為にあなたの施設にくるの?」
このシンプルな一言で当時自分の視点が間違っていたことに気づかされました
「戦略とか、戦術とか、もてはやされる言葉だけどいったいなぜ戦うのか?」
「差別化なんて概念がおかしい、そもそもやっていることは模倣だし大切なのは独自化ですよ」
競合店ばかりを意識しすぎて本質を見誤っていると言う意味です、そう考えれば随分と独りよがりな運営をしていたのでしょう、助言に従い視線を競合店から顧客に切り替えて見ると数字が落ち込む理由が見えてきました
・今来店されているお客さまが来店してくださる理由は何か?
・ありきたりの設備と勝手に思っているけれど、その使い方や効能はちゃんと伝わっているのか?
・遅刻ばっかりしやがって絶対クビにしてやる!と思っているあいつがなぜ客受するのか?
マーケテイングと称してもその本質が見えていませんでした
『毎日通って長生きさせてもらいまっさ!』
お客様のこの言葉、それがすべての答えだと気づきました。
視点を変えて解ったこと
不思議なものもで、視点を変えると次第に数字の下降は止まりました
・週2回のお客さまが3度来てくださるようになったり・・・
・すぐ近くで何年も生活しているのに初めてきたよ!と言う家族がいたり
・友達を連れてきてくれたり・・・・
・そして何よりも『S』がなぜあれだけ集客できるのか?が冷静に見えるようになったり・・・
でもそうなると焦りも消えて行きました・・・
楽しんでください!!
名物支配人が今まで手がけてきた多くの繁盛店はどれも資金的に余裕があり羨ましいほどの全方位型の大型店が中心でした、嘗ての自分なら敵対心に燃えるような施設ばかりで采配を振るってきた人です。
ですけどこうやってお話しするようになるとその中身も教えて頂けたり、本当にご本人がやってみたい施設はそういった設備重視の施設ではなく他にあるというような本音も聞けて面白いです。
お邪魔した現在彼が切り盛りする施設は『S』のコンセプトにはないシックなとても良い施設です、さてさて今後どういった展開になっていくのかがとても楽しみです!!
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