埼玉県玉川温泉

6月18日~20日迄関東の温浴施設・スーパー銭湯9店舗を視察して来ました、施設レポートを数回に分けて記録してみようと思います。

独自の運営でスーパー銭湯を再生させる手法を学びたい

今回の大きな目的の一つは行き詰まり感のある施設を独自の運営で蘇えらせる株式会社温泉道場が運営する施設の視察。

 

去年拝見したスーパー銭湯をCAFFEにしたお店がとても度胆を抜かされたので、更に学びたいと思いで今回は山里の中の田舎の温浴施設の運営をいるのか観てきました

 

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計算されたセンスある運営

大阪から新幹線で新横浜で乗り換え、在来線を乗り継ぐ事4度、その時間2時間半(-_-) 山間部にあるJR八高線明覚駅、降り立った駅は予想通り無人駅、清算は一体どうすればいいんだろう??

さてここから車で昼寝をしているたった1台のタクシーの運ちゃんをたたき起こして、約10分、目的の玉川温泉に到着しました。

かなり年季の入った古めかしい建物、玄関に飾られたバタバタ(三輪車)は街中のオブジェだとオシャレに感じるのでしょうが、マッチしすぎています

 

 
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玄関入って10円の下足ロッカーや、お店の装飾品や飾りつけ、あるようでない事務所兼受付みたいな入口、

古い旅館を居抜で改装したような休憩室や、お土産コーナー、暗い廊下全てが昭和レトロそのものです、一見すると創業来そのままの感じです。

5時間もかけてこんな田舎の施設の運営、参考になるかな?・・・と頭をよぎった瞬間、トリックにまんまと引っ掛かっている事に気づきます、全てが演出です。

この施設は築20年、古いのは古いですがお店の雰囲気は20年や30年前のモノではなく恐らく40年以上前の雰囲気です 街中の商業施設に再現された昭和レトロな演出、映画3丁目の夕日で見るノスタルジックな雰囲気あれです。

商業施設の演出された昭和レトロを僕は全かデフォルメされすぎていて鼻につくのですが此処ではその雰囲気が演出ではあるのですが環境がハマりすぎているのです。

廻りの環境、建築物、そしてお客様の雰囲そのものが・・・・

スーパー銭湯・温浴施設の運営者として学びたい事

さて、この昭和レトロな演出、温浴施設でもちょくちょく見かける演出です、先にも述べたように大概は陳腐になります。

デザイナーが考えたハードや、レイアウトや小物これらは最初は完成系としてそれなりの雰囲気を出しますが1カ月もすればその雰囲気自体が単なる”置き物”のようになってしまいます。

人工的にならないためには取り揃える商品や、雑誌、POPやポスター、それらを独自のセンスで一輪ざしの花を変えるように息吹を与える経営者やスタッフが必ず必要です。

個性を持ったクリエイターが必ずそこには居る筈です

ここは演出が周りに溶け込み過ぎていて元々の環境を更に増幅させていました

マーケットに寄り添う

銭湯以上、スーパー銭湯未満、温浴ゾーンの規模はそう言ったところでしょう。

然し良質のアルカリ泉と街中では比べようにない自然を感じる露天風呂、厳密に言えば田舎の匂いが心地良いです、

昼前の時間ですが浴室には10名前後のお客様でした 風呂上がりに食事をしようと2階の大広間で驚きました

 

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そこには30~40人の見るからに”地モッテイー”と思える人達が、順番にカラオケを楽しみ、週に2回開催されると言うビンゴ大会に興じています。

平日の昼間です、人口1万2千人の小さな町です。 因みにカラオケは係のおじちゃんに100円払ってリクエストを入れる仕組みで舞台では”こぶし”全開の歌は続きます

 

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年配の方の娯楽の一つカラオケ、帰りのタクシーの運転手さんとイロイロ話をしてみると町にはパチンコ屋さんは無く、カラオケ店も1店だけだそうです

 

・・・・ だとすれば、あの盛況ぶりも理解出来ます とっても刺激を受けた施設でございました  玉川温泉サイトはこちらです

                

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。