新卒採用をあきらめない中小企業に必要な2つの視点

優秀な人材が欲しいのだけどなかなか人が集まらない。

会社を経営されている社長様からここ数年よく聞く言葉です。

昨年末の有効求人倍率は2.87倍、経済体には良いことなのですがで人材を確保したい雇用主側では「優秀」という括弧書きを外しても人が集まらず、垂れ流しのような求人広告費に使う経費のアホらしさに悩みは募るばかりのようです。

 

 

人材が集まらない企業の2つの理由

リアルな職業体験の場を提供する未来電子テクノロジーの取り組み

昨年末大阪にある未来電子テクノロジーという会社を経営する若い起業家、福本真士氏の話を聞く機会がありました。

この企業はGO UNITという制度を作り関西の優秀な学生を多くの企業にインターン生として送り込むサービスを展開しています。学生が希望する業種の中で異なる3社に8日づつ送り込みそこでリアルな仕事を経験すりカリュキュラムが組まれています。

その企業がどんな技術を持っているのか、どういった課題を抱き解決し、ビジネスに結びつけていくのか、そのプログラムは企業担当者と何を学びたいのか課題を持った学生たちが一緒になって組み立て実践してゆくのだそうです。

認識の低い私にとっては企業インターン制度とは入社前研修の一種で現実には青田買いで学生をキープしておきたい企業が現実のビジネスとは別に、研修部がお客様としておよそ現実とはかけ離れたプログラムを用意し、時間つぶしと小遣い稼ぎの場を与えるものくらいにしか感じていませんでした、実際我が国のインターン制度とはそういった類のものが多いと聞きます。

大学生が中小企業に就職しない理由は企業の存在を知らないから

企業の実態を晒されて困る企業・改善できる企業

本来大学生のインターン活動の意味は自分が進むべき職業の事を深く知り、自分の人生にミスマッチを起こさないためのものです。そこで学んだ感覚や思いは何ものにも変えることのできない大きな財産となる可能性があります。だから決して目先のアルバイト代が目的ではありません、寧ろタダでも貴重な体験をすることに価値を感じるのです。

一方こういった学生を受け入れる企業側も覚悟が必要です。企業風土に染まっておらず、あなたの企業が染まる価値があるのかないのかを判断するために外部の人間を招き入れる訳です。

上辺だけで接していては見透かされてしまいます。GO UNIT制度はそこで感じたことを良いことも悪いこともレポートとしてGO UNIT内の掲示スペースに掲載され公開される仕組みになっています、このレポートは多くの学生が自由に閲覧することができるためその企業に対する学生の評価となるからです。

評価の高い企業は人気が出るために自分もそこで同じ体験をしてみたいという学生が多く集まり、希望者は次のインターン学生として迎え入れられます。こうして認知度の低かった企業は学生たちによって認知度が高まってゆきます。

一方で評価の低い企業は客観的に社風や業務の見直しを行い、改善点に気づき改善を行う必要があるのです。

つまり、優秀(であろうがなかろうが・・・)な学生を採用するためには採用する側の企業が真剣に変わる意識を持って望まなければ到底迎え入れることは不可能だということなのです、そして客観的に自社のことを見直し、新たな血を入れる勇気のない学生に見向きもされない企業に未来はないということにも気付くべきなのです。

京都大学大学院卒の新卒社員が銭湯の番台で働く覚悟を持つ

私が長年従事してきたのはサービス業、温浴事業の運営を行う会社で万年人材不足に悩まされる職場でした。良い人材が集まらない、入社した社員がすぐに辞めてしまう、そういう状況ですからある程度来るもの拒まずのようになっていたことは否めません。

ではこの業界で言う良い人材の定義とは何か?

それは入社して取り敢えず業務を遂行できる人、つべこべ言わずに無難に接客をして、人間関係を無難にこなし、つべこべ言わずに辞めない人・・・そんな人を求めていたような気がします。

でも、これでは人間的に発展はしない、つまり本当の意味で仕事の対する面白みを感じてくれる学生は少ないのではないかと思います。

偏差値の高い大学の学生がイコール仕事ができる人とは言いませんが、MBAホルダーの経営学を真剣に学んだ学生が日本固有の入浴文化を真に広めて、経営的に新たな風を吹き込もうとチャレンジ精神を持って入社する覚悟を持ってあなたの企業に応募した時にあなたの企業はその人材を受け入れる覚悟がありますか?そういったことではないのかと感じました。

優秀な大学生があなたの会社を選ばない安全性の欠如

大学生に関わらず、就職先に求めるものは企業の安全性です。

それにはいろいろな内容が含まれると思います、その企業が安定して継続できるのか?職場環境は良いのか?給料面はどうなのか?・・・・・

しかし、本当に優秀な人材が意識するのは自分の才能や、学んできたことがそこで活かすことができるのか、或いはそこで働くことでさらに自分の求めている進化をすることが可能な場所であるのか?ということが最大のポイントのように感じます。

良い人材を確保するには、彼らを受け入れる覚悟と準備がなければ叶いません、企業は覚悟持って現状を見つめなおす必要があります、それが唯一今後ますます採用難となる時代に新たな風を吹き込む人材を確保する為に必要なことだと思います。

COMOIMAはおふろ好きの国のおふろ産業を応援しています

応援してね!!

The following two tabs change content below.
小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。