「圧倒的」でなければ「ホンモノ」にはなれない

昨日から頭から離れない言葉がある

「危惧している。2年後には飽きられてしまう、なぜならホンモノでは無いから

ある若き温浴施設の経営者の言葉である。

20年近く経過をしたスーパー銭湯、一世を風靡した華やかな時期を過ぎ建物の老築化、規模の違う競合店の相次ぐ出店による陳腐化を免れる事はできず、再生は難しいと思われていた温浴物件を見事に立ち直らせた経営者である。

老朽化した温浴施設の再生が難しいのは利益を生むべき源泉でもあるお風呂が”水周り”である事だ。埋設された配管はボロボロになり、ポンプや濾過器、心臓であるボイラーの痛みも激しい。設備は正常に動いて当たり前でありそこに何千万、場合によっは億単位の投資を行っても利益は産まないのである。

ましてや建坪の小さな施設に大きな投資をして綺麗にしても新規の施設に太刀打ちするのは至難の技である。

マーケットを変える決断

冒頭の発言をした経営者は色々なタイプの施設を再生する中で、一つの物件のマーケットを変えた。

手掛けたお店をカフェにしたのだ、スーパー銭湯でなく温浴ゾーンは残したまま館内を本格的なカフェに変更した。元々あった飲食ゾーンのリニューアルではなく、業態そのモノを変えたのだ。新しくできたカフェにはたまたま以前からのお風呂も付いていて入浴できる・・てイメージです。

温浴業者として「学ぶべき事が沢山ある経営者」が手掛けたカフェは本当に画期的で衝撃を受けました。

何度かお邪魔して、我慢できずに押しかけついでとばかりにお会いをしてお話を伺う事も数度・・・そのたびにその徹底ぶりに感心させられるのです。その徹底具合から、そのカフェは温浴業者の私からすれば上出来だと思うしホンモノだと思うのだが・・・・

そして施設は再生し蘇ったのだが・・・

昨日も話を聴く機会を得て、そして出たその施設は「ホンモノではない」と言う言葉。

その思いが刺のように突き刺さる!!

「スーパー銭湯」はホンモノか?

温浴業界に身を置いて16年、思い続けている事があります。「スーパー銭湯・・とは?」

銭湯のように気軽に入れる温浴施設

街中に温泉地のような露天風呂を創る

旅館のようなおもてなしを行う

専門店のような美味しい食事を提供する

健康ランドのようなサービスで、銭湯のような価格

「・・・のような何か?」を追い続けているような気がするのです

「うちは本物のスーパー銭湯だよ」って表現をした事はないし胸を張った記憶も無い((+_+))

そういや昨日は「スーパー銭湯と日帰り温泉の違いは何ですか?」なんて質問をされたりもしましたが?

さてなんでしょう(ーー゛)!!

「ホンモノ」っていったい何だろう?

「ホンモノ」でないって事は「ウソモノ」か・・・?

何となく居心地の悪さを感じ続けるのは何故だろう!!

答えは、何かに突き抜けることではないかと思います

お風呂屋にカフェが付いてるのでもなく、カフェにお風呂が付いている訳ではない

とことん拘ったオーナーの思い入れのある空間を追い続け、驚くべき一杯のコーヒーを提供する

それがなんであろうとも、きっと突き抜けた思いがホンモノとなる

好きな人はホンモノに飽きる事はない・・・と言う事だろう

だからこそ圧倒的に突き抜けない限りこの居心地の悪さが無くなる事はないのだろう

この突き抜けた思いを持ち続ける事こそホンモノの経営者と思える。

・・・のようなモノではダメだ!だから昨日の言葉は私の脳天に突き刺さりました!!

 

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小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。