血圧とは血液が動脈(血管)の壁を押す力のことです。血管が細くなったり、弾力性が弱まると血の流れが悪くなり、血管にかかる負荷は高まり血圧が上昇します。高血圧症はサイレントキラーと呼ばれ、動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。また様々な病気を誘引する原因にもなります。
この記事をご覧の皆様は、大なり小なり高血圧について関心がある方と思いますので、高血圧がもたらす危険については多少の知識はあり、その改善についても興味をお持ちだと思います。食事、運動、ストレスの回避、など様々な生活習慣の改善が重要であり多くの情報が溢れています。炭酸泉入浴を習慣化することも血管年齢が若返り弾力性のある血管に鍛える効果があるのです。
炭酸泉入浴で血管年齢が若返る!
温かいお湯に入浴することで血流が良くなる理由は様々あります
まずはお湯に浸かること自体水圧で体が押されるため全身がマッサージを受けているのと同じ効果があります体にかかる水圧は血液やリンパ液を心臓に向けて押し上げ足のむくみを解消したり心肺機能を高める役割があるのです。
温かなお湯は身体を温めために、抹消血管もゆっくりと広がり血流が良くなり血圧は下がります。注意をしなければならないのは42度以上の熱いお湯は交感神経を刺激し興奮状態となるため体温は上がりますが血管は収縮します。高血圧症、動脈硬化症のかたは要注意です。39度から41度くらいのお湯が適温と言えるでしょう。
これらに加え炭酸泉は末梢血管を拡張させる作用があります、血管に取り込まれた炭酸ガスを排除するために血管自身が血管を拡張する指令を出すのです。ですから心臓に負担をかけることなく血流が良くなり血圧は下がります。
炭酸浴の習慣化で血管を鍛える
入浴をすることで血圧が下がることは上記の理由でも明らかです、しかし入浴中やその直後は血管の拡張したとしても、普段この状態を維持できなければ慢性的に血流を良くすることはできません。
岩手大学の実験で、高血圧の患者さんに3週間続けて炭酸泉の足湯を続けて行ったところ、改善が見られ、その状態は足湯を行っていない時間程維持されるという実感結果えれれたそうです。高血圧を改善するには炭酸温水の長期連浴がポイントとなるのです。
炭酸泉に浸かることにより内皮細胞から血管を広げる作用がある分泌物(プロスタグラジンE2)により血管は拡がります、しかし硬くなった血管は炭酸泉から出るとすぐに元に戻ります。しかしこれをくり返すことにより少しづつではありますが広がったり、収縮したりを繰り返しながら徐々に揉みほぐされ状態となり柔軟性を取り戻し開き具合も大きくなってくるのです。
拡がった血管は薄くなりますのでこのままでは破れ易くなりますが、血管の内皮細胞が優秀なのはそれ補うために新たな内皮細胞が作られ血管を補強してゆくのです。時間はかかりますが定期的に炭酸浴を続けることは結果的に血管を鍛え太くて強い血管を作り出し常にスムーズな血流で血圧を下げることができるのです。
理想的な炭酸浴の頻度
毎日の入浴で炭酸泉に浸かることができれば、それはもっと理想的なことだと思います。健康な血管を取り戻す為に必要な時間や入浴方法は個人差があります。
確かなデーターではありませんが、筆者は温浴施設で多くのユーザーから直接声を聴き続けてきました。体調に課題を持つ方で確かな改善を実感し、その後ヘビーユーザーとなったか方々の多くは週に2日以上通い、ぬるめの炭酸泉に10分から15分浸かるといった人が多いようです。長湯をされる方や、何度も繰り返し入浴される方は半身浴をとりい入れながら無理せず楽しんでおられる状況を目の当たりにします。
継続的な運動やリハビリが効果があるように炭酸浴で血管年齢を若返らせ、健康な状態に保つには炭酸浴の習慣化することが重要な要素となります。練習は裏切らない、血管にとっても同じことが言えるようです。
最新記事 by 小野 康成 (全て見る)
- コロナ対策と手のガサガサ問題と炭酸泉 - 2021年5月5日
- 『入浴剤炭酸泉』と『高濃度人工炭酸泉』の違い - 2021年2月25日
- 傷治療の新常識は『湿潤式』 - 2021年2月15日