人工炭酸泉の作り方には大きく分けて2つの方法があります。一つはお湯の中に薬剤を入れて炭酸ガスを発生させる方法、もう一つは炭酸ガスボンべ(通称 ミドボン)のガスをお湯に溶けこます方法です。
どちらが炭酸泉として効果的なのかという質問は前提条件によります。
炭酸ガスの効用でもっとも重要な血管の拡張作用による血流改善にスポットを当てて考察すると、高濃度にお湯に炭酸(二酸化炭素)を溶け込ませることのできる炭酸ガスボンべの方が断然効率的です。
しかし、本当の意味で体質改善を目指し、目的とする効果を発揮させるには継続的に行う、一回の入浴時間は10分から15分湯船に浸かるといった条件を満たす必要があります。
結論から言えば、この条件を満たすのであれば血管の拡張作用による血流改善には炭酸ガスボンべを使った高濃度炭酸泉が効果的といえます。
今回はその根拠と、入浴剤とカスボンベの炭酸泉の仕組みの違いついて検証してみたいと思います。今回の記事を読むことによってあなたにとってもっとも効果的な炭酸泉の入浴方法を見つけることができると思います。
入浴剤の炭酸ガス発生の仕組み
お風呂のバブに代表される炭酸ガスが発生する入浴剤は重炭酸ナトリウム(重曹)と クエン酸やフマル酸など酸性の薬剤をお湯の中に混ぜて溶け込ませることで炭酸ガスを発生させます。
しかし、ここで発生するガスはそれほど多くはなく、お湯に溶け込んでいる炭酸ガス濃度は数十PPMから多くても数百PPMにすぎません。
この場合でも、発生した炭酸ガスがお湯に溶け混んでいますので血管の拡張作用の可能性はあると思います。しかしそれはガスボンベのガスを直接お湯に溶け込ませ生成された炭酸泉と比べるとは別物といっていいでしょう。
勘違いしていただくと困るのですが、入浴剤の炭酸泉がガスボンベの炭酸泉と比べ劣っているかといえば、決してそう言う訳ではありません。
『入浴剤炭酸泉』と『高濃度人工炭酸泉』は別モノ
入浴剤の主成分は重炭酸ナトリウム(重曹)ですが、これはナトリウムですのでアルカリ物資になります、ここに酸性のクエン酸やフマル酸などを加えることで炭酸ガスが発生します
お湯のなかで泡が出るのは発生した二酸化炭素が気化した状態のものです、ところが気化した状態の二酸化炭素が肌から吸収されることはほとんどありません。空気中には多くの二酸化炭素が存在しますが、これが作用することがないのです。
泡付きの良いお湯は人気がありますが、大切なのは溶け込んだ炭酸ガス重要です。二酸化炭素がガスの状態でお湯に溶け込んだ状態を”炭酸ガス泉”と言いますがこれを人工的に作り出したものがガスボンベを使用した人工炭酸泉です。
炭酸は水に溶けると酸性になります。
ガスボンベを使用した人工炭酸泉はその多くがガスの状態で溶け込んでいますのでPH4,5〜6くらいになります。
一方、重炭酸ナトリウム(重曹)はアルカリ性なので酸性物資を混ぜることで炭酸ガスは発生しますが、酸性物質とアルカリ物質が混ざったお湯は中性から弱アルカリ性となります。
逆説的になりますが、二酸化炭素は酸性状態でガス状態としてお湯に溶け込みますが、中世かららアルカリ状態に進むにつれて、溶け込んでいる炭酸はガス状態ではなく炭酸塩と言う状態となります。この場合人工の”炭酸水素塩泉”ということになります。
多くの天然温泉でも勘違いされるのですが、『炭酸ガス泉』と『炭酸水素塩泉』は全く別物なのです。ともに”炭酸”という言葉が含まれているので炭酸泉と総称されることが多いのも勘違いの要因と言えます。
炭酸水素塩泉の特徴
以下、天然温泉の特徴を紹介します、人工的に同等の成分が含まれている泉質のお湯はこれ準じた特徴があります。
炭酸水素塩泉の特徴は「美人の湯」と言われる肌の角質を乳化してくれる性質があり
本当に肌すべすべになります。「炭酸水素塩泉」のお湯に入浴すると皮脂がきれいに落ちるため、お肌の水分の蒸発が促進されます。
水分は蒸発とともに体の熱を奪うため、「炭酸水素塩泉」につかった後は爽快な清涼感を得ることができます、このため「清涼の湯」という呼び方をする場合もあります。
反面ですが、水分が蒸発するということは肌を乾燥させる側面も持ちます、「炭酸水素塩泉」のお湯で入浴したあとは、必ず保湿ケアをおこなうようにこころがけましよう。
二酸化炭素(炭酸ガス泉)泉の特徴
二酸化炭素(炭酸泉)は本サイトのテーマでもあります。
天然温泉で二酸化炭素(炭酸泉)と認められるには炭酸ガスの含有量がお湯1リットルに炭酸ガスが0.25
お湯に溶け込んだ炭酸ガスは皮膚から吸収され、皮下の血管・毛細血管に取り込まれます。その結果の血管が拡張する作用が起こり血流がよくなるのが最大のメリットですl
『入浴剤炭酸泉』の魅力はアロマ効果
炭酸入浴剤の中には炭酸ガスの効果を前面に打ち出しているものも多いのですが、むしろそれぞれの商品に配合だれた成分が魅力的だと思います。
特に”香り”によるアロマ効果は効き目があります。
脳には、感情・本能を司る「大脳辺縁系」と、理性的な思考を司る「大脳新皮質」の二つがありますが、五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)の中で唯一匂いだけが感情・本能に関「大脳辺縁系」に直接伝達されます。つまり、匂いは本能を直接刺激するのです。
生理的に受けつけることができない匂いは一瞬にして緊張感をもたらしますが、腐った匂いがすればそれを口にしないのは本能による防御となります。
その逆で、良い匂いは本能でリラックス効果を感じることができます。入浴による様々なリラックス効果に加え、本能を刺激する香りが加わることの相乗効果はとても大きいと言えます。
高濃度人工炭酸泉の課題
炭酸ガス泉としての効果だけを比較すれば、入浴剤の炭酸泉とは比較にならないほどの効果が期待できる「高濃度人工炭酸泉」ですが、課題は家庭では結構高価な価格となるので一般的ではないということです。
たつよ
お近くに炭酸施設があれば是非積極的にご利用をお勧めします、かなりコストパフォーマンスは良いとおもいす。本サイトには全国の人工高濃度炭酸泉のリストも掲載しておりますのでご参照ください。
家庭用高濃度炭酸泉
一方で実際に医療現でも使われている高濃度炭酸泉を家庭で入ることができるのはとても魅力的です。冒頭でも申しあげましたが、大切なことは続けることです、その観点から考えると家庭に導入するごとが理想的です。
健康に勝る財産はありません、ご自身のみならずご家族の健康を考えると結果的にコストパフォーマンスは低いのではないでしょうか。
様々な機器がありますが。ポイントは信頼ある製品を見極めて頂きたいとおもいます、家庭高濃度用人工炭酸泉の情報もリンクを貼っておきますので参照ください。
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