日本コミュニテイ・マーケテイング研究会代表の小野です。

我が国独特の文化である銭湯は生活環境の変化により日常のお風呂を提供する場所から身近なレジャーを楽しむ場所となりました。銭湯、スーパー銭湯・日帰り温泉、都市型サウナ・健康ランド、様々な形の温浴施設が数多く運営されています。ですが日常的にお金を払って入浴を楽しむ人は人口の僅か20%だと言われています、簡単に言えばこの比率を30%に上げることそれが私のミッションと捉えています。

スーパー銭湯黎明期に業界に入り、創れば繁盛する時代を経験しました。市場調査を行い、計画を練って予算をつけて施設を立げ組織を広げることが使命であった時代は事業責任者としてワクワクするような面白い時期を体験しました。その後様々な理由で方向転換を余儀なくされた会社から私に課せられた使命は予算をかけず事業価値を高め、事業部を売却するEXIT戦略、組織としては後ろ向きですがある意味本当に鍛えられ様々な事を学べたのはこの時期ででした。

エスキモーに氷を売ろう

「エスキモーに氷を売る」という有名なマーケテイングの書があります 。著者のジョン・スポールストラは、NBA(全米バスケットボール協会)で観客動員数最下位だったニュージャージー・ネッツを、27球団中チケット収入伸び率1位にまで導いた人物で、スポーツビジネスを通して彼が商品を売るためにとった数々のマーケティング手法を、そのドキュメンタリーのなかで学ぶことができるので温浴事業を営む経営者にはぜひお読みいただきたい良書です。

Pexels / Pixabay

公衆浴場法には一般公衆浴場法の定義として「地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設」と書かれています。例外はありますが一般公衆浴場とは従来の街中銭湯に位置付けられる施設のことですが各家庭のお風呂の普及率から考えるとこういった意味に関しては従来の街中銭湯の役割は終わったと言えるでしょう。

一方その他の公衆浴場法の定義といしてレジャーや療養があり、古くから湯治や旅行で楽しむ習慣がありました。

銭湯、都市型サウナ、健康ランド、スーパー銭湯、日帰り温泉は形を変えてわざわざ温泉地に行かなくとも楽しめる身近なレジャーとして変化を遂げてきました、そういう意味では一部のエスキモーに氷を売ることに成功した業界です。

この本が刊行されたの2000年に私は丁度この業界に足を踏み入れました。前述のように最初は氷は面白いように売れました、少しずつ氷の質もよくなりエスキモーが氷を買うのは当たり前だと思っていました、しかし転機の期間に学んだのはたった20%のエスキモーに形態も規模も違う施設が同じような商品を同じような売り方をしているという現実です。それどころか多くの施設では自店が売っている商品の中身もよく理解せず、ただ店頭に並べているだけなのです。

どんな施設も伝えきれていない氷の使い方

「マーケテイングとはお客様のニーズに合った商品を、適切なターゲットに向けて発信していくこと」です、見方を変えれば温浴施設には気づいていない氷の使い方(ニーズにあった商品)が山ほどあります、これが解れば5キロ先、10キロ先の競合店と顧客を奪い合う必要はありません、近さや日常も商品の強みになるからです。

働き方改革による余暇の増大、高齢化社会に於ける健康意識の高まり、核家族から単身世帯の増加、これからの温浴施設の役割はとても重要です。温浴施設が単に入浴を楽しむレジャーである限り20%の人を取り合うことになります。地域の核として人の集まる場所となるために施設ができること、そしてそれを伝えることで施設の需要は高まります、どんな商売もそうですが人が集まるお店にはある共通の法則があるのです。

あなたの施設が提供できるサービスは誰にとって嬉しいことなのか?提供する側がサービスの提供を楽しんでいるだろうか?競合店を意識する前に自店のお客様に意識を持ちましょう!設備投資を行う前に今ある資源の使い方を考えてみましょう!貴施設が笑顔溢れるフアン客がドンドン増える仕組みを一緒に考えてみませんか?新たな氷の使いかたは必ず見つかります、そしてそれを欲しているエスキモーに確実に伝えて行きましょう。

プロフィール

大学卒業後アパレルチェーンの宝飾部門で複数店の店長経験後エリアマネージャーとして西日本の店舗を統括する。2000年大阪の酒販店が温浴事業進出の際、新規事業の立ち上げ責任者として誘われ転職。取締役事業部長として3店舗のスーパー銭湯、施設内飲食店8店舗の立ち上げ、統括を行う。2018年日本コミュニテイ・マーケテイング研究会を立ち上げ独立、温浴施設の集客コンサルタントとして活動しています。

COMIMA 代表 小野康成

 

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おのやすなり

小野康成 温浴施設コンサルタント 温浴施設の持つポテンシャルを視座を変えて見つめ直すと実に多くのサービスを提供できます。それを必要としている人が地域には溢れています。17年間で複数の温浴施設・飲食店を立ち上げ現場指揮から得た経験から、施設と地域と人を繋ぐプロデユースを行なっています。